2017 オートバックス SUPER GT第5戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝が6日(日)富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#8号車 ARTA NSX-GT、GT300クラスは#55号 ARTA BMW M6 GT3が優勝。ARTAが両クラス揃ってポール・トゥ・ウィンを成し遂げた。曇りがちだが、しっかりと陽が射すSUPER GT第5戦決勝日を迎えた富士スピードウェイ。決勝直前に行なわれた20分間のウォームアップ走行も、グリッドウォークの時間も、強い陽射しがコースを照らしていた。しかし、その後雲が広がっていき、決勝は常に薄曇りの下でのレースとなった。
決勝レースは、午後3時25分に静岡県警の9台の白バイと4台のパトカーが先導のパレードラップがスタートし、午後3時33分、シグナルグリーンでスタートとなった。ポールポジションスタートのNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀)がホールショットを奪うと、その後は後続を引き離しにかかっていく。2番手を走行するNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)も単独走行、そして3番手以降が数珠つなぎでの走行をするという展開となっていく。レースも20周を経過すると、3番手を走行しているNo.36 au TOM'S LC500(ジェームス・ロシター)が23号車に追いつき、2番手争いが熾烈になり、さらにその後方、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)と6番手スタートから順位を上げてきたNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路)の4番手争いも同様に熾烈になっていく。この後方のバトルをしり目にトップの8号車と2番手23号車との差は最大12秒差にまで広がっていく。レースも1/3を消化した23周終わりで、スタートからポジションを2つ下げて6番手を走行していたNo.17 KEIHIN NSX-GT(小暮卓史)がGT500クラスで真っ先にルーティンのピットインをする。38号車は、24周目、そして27周目に立て続けにポジションをアップし3番手に浮上。30周の終わりで、2番手の23号車、3番手の38号車がピットへ戻り、トップを行く8号車もその翌周にピットイン。8号車は後続に16秒もの差を持っての余裕のピットインでありながら、さらにピット作業も37秒という素早い作業でコースに復帰する。レースもちょうど折り返しとなる33周を終えたところで、GT500クラスは全車がルーティンのピット作業を終えることとなった。トップを行くNo.8 ARTA NSX-GT(小林崇志)と2番手No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)との差は8秒以上あり、その松田とNo.38 ZENT CERUMO LC500(石浦宏明)との2番手争いは熾烈で、テール・トゥ・ノーズで延々と続けられていく。さらに4位争いを展開していたNo.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴)、No.37 KeePer TOM'S LC500(平川 亮)のTEAM TOM'S同士も激しいバトルで周回が重ねられていく。そして、レースは終盤となっても、2番手争いは松田の前に石浦は出られないまま。36号車と37号車の4番手争いも変わらず続けられていた。トップの8号車はバックマーカーの処理もあり、一時は3秒ほどまで2番手集団に詰め寄られることや、小林がマシンをスライドさせてコースをはみ出すこともあったが、最後は後ろとのマージンをしっかり使いながらゴールまで着実にARTA NSX-GTを進めていく。そして、昨日と今日のお昼に華麗なアロバティックスを魅せてくれたエアレーサーの室屋義秀氏が振るチェッカーフラッグを、ARTA NSX-GTが真っ先に受けた。ついにLC500の連勝を食い止めたNo.8 ARTA NSX-GTの野尻智紀、小林崇志はともにGT500の初優勝。ARTAとしては2013年以来の優勝で、この時もGT300クラスとのダブル優勝だった。2位にはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、そして3位にNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明)が入った。4番手争いを展開していた36号車と37号車のバトルはNo.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴/ジェームス・ロシター)が制し4位。No.37 KeePer TOM'S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ)は、10番グリッドからスタートしひとつひとつ地道にポジションを上げてきたNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ヤン・マーデンボロー)に最終ラップでパスされ6位となった。これでシーズンも折り返し、2017シーズンのSUPER GTも残り3戦。ドライバーズランキングは、このレースで3位に入ったジェームス・ロシター(No.36 LEXUS TEAM au TOM'S)が44ポイントでトップへ浮上。これを43ポイントの大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組(No.6 LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S)、42ポイントの平川 亮/ニック・キャシディ組(No.37 LEXUS TEAM KeePer TOM'S)、41ポイントの立川祐路/石浦宏明組(No.38 ZENT CERUMO LC500)と松田次生/ロニー・クインタレッリ組(No.23 MOTUL AUTECH GT-R)が追う形となった。GT300クラスは、No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー)が昨年の第5戦富士以来の優勝を手にした。高木はGT300クラス通算18勝を挙げ、先輩の新田守男(No.50 Ferrari 488 GT3)に並ぶクラス最多勝となった。そして、ウォーキンショーは5戦目にしてSUPER GT初勝利。また、GT500クラスは同じAUTOBACS RACING TEAM AGURIのNo.8 ARTA NSX-GTが優勝し、SUPER GT史上初の同一チームによる両クラスのポール・トゥ・ウインという快挙を成し遂げた。2位には終盤にガス欠の恐れもあり、55号車を追いきれなかったNo.4 グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)。悔しいレースとではあったが、この2位でシリーズポイントを50点まで挙げ、谷口組はドライバーズランキングでトップとなった。3位には、終盤JAF-GT300車両同士のバトルを制したNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/久保凜太郎)が入り、4位はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)となった。前戦までランキングトップだったNo.25 VivaC 86 MC(前半を山下健太、後半は松井孝允)は、予選12位から、得意のタイヤ無交換作戦で一時実質7位までポジションを上げたが、電気系のトラブルが発生して46周目にピットイン。結局レースに戻れずにノーポイント。松井/山下組はNo.4 谷口/片岡組に9ポイント差を付けられ、ランキング2位に下がった。同3位には第5戦の優勝で38ポイントにしたNo.55 高木/ウォーキンショー組が上がってきた。 SUPER GT 2017年 第5戦 富士 結果:GT500順位No.車名ドライバータイヤWH18ARTA NSX-GT野尻紀小林崇志BS20223MOTUL AUTECH GT-R松田次生ロニー・クインタレッリMI52338ZENT CERUMO LC500立川祐路石浦宏明BS60436au TOM'S LC500中嶋一貴ジェームス・ロシターBS7512カルソニック IMPUL GT-R安田裕信ヤン・マーデンボローBS14637KeePer TOM'S LC500平川亮ニック・キャシディBS74719WedsSport ADV...