2024年 SUPER GT開幕戦の公式予選が4月13日(土)に岡山国際サーキットで行われた。今季から予選はQ1とQ2のベストタイム合算に変更。その新たな予選で、GT500クラスはNo.36 au TOM'S GR Supraの坪井翔/山下健太組がポールポジションを獲得。GT300クラスはNo.65 LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/篠原拓朗組がクラス予選1位となった。2024年シーズンは予選の方式が大きく変更され、予選Q1とQ2に全車が出走。Q1,Q2それぞれのベストタイムを合算して順位を競う新しい予選方式が採用された。
さらにQ1とQ2を通して使えるタイヤは1セット、4本のみ。しかもそのタイヤは、そのまま決勝スタートでも使用するだけに、タイヤのグリップダウンを避けるテクニックやチーム戦略も必要だ。その新たな公式予選が開幕戦岡山で行われた。GT500クラスのQ1は、午後2時34分より10分間で行われた。気温、路面温度ともに先月の公式テストとは比較にならないレベルに上昇するなか、各ドライバーはタイヤを温存しながらタイムアタックを行うという難しいミッションに取り組む。まずはNo.36 au TOM'S GR Supra(山下健太)がアウトラップに続いてウォームアップラップを2周行なって1分17秒813を記録し、この時点でのトップに立つ。2番手はNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(牧野任祐)で1分17秒841、No. 12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴)が1分18秒033で3番手につける。しかしその直後、ウォームアップを3周行なったNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹)が1分17秒649で山下のタイムを上回る。だが、それだけでは終わらなかった。直後にNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正)がウォームアップ2周に続いて1分17秒489と、38号車・大湯を上回るタイムを叩き出してトップに躍り出た。これに続いてNo.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(松下信治)もセクター1で全体ベストを叩き出すハイペースでアタックを敢行したが、最終コーナー手前で痛恨のオーバーランを喫する。これで10番手タイムに終わったばかりか、走路外走行のペナルティでベストタイムは抹消で8号車は最下位の15番手に。さらにそのタイムは予選通過基準タイムに達しておらず、決勝レースはピットスタートとなってしまった。この結果、No.23 MOTUL AUTECH Zがトップタイム。No.38 KeePer CERUMO GR Supraが2番手となり、3番手には終盤に福住仁嶺が1分17秒788を記録したNo.14 ENEOS X PRIME GR Supraとトップ3は揃って移籍選手、しかも2、3番手は今季Honda陣営を離れてGR Supra GT500を駆る2人が早速良い仕事を披露。この後の決勝や今後にも期待を感じさせた。一方、36号車はNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一)に次ぐ、5番手でQ1を終えることになった。GT500クラスのQ2は定刻の15時29分にスタート。Q1で使用したタイヤでの走行であり、各チームはいかにしてQ2のタイムダウンを最小限に留めるかに腐心する10分間となる。まずはGT500ルーキーの三宅淳詞がドライブするNo.3 Niterra MOTUL Zが1分18秒301(合算タイムは2分36秒434)でリーダーボードのトップに浮上。これをNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明)が1分18秒504(同2分36秒151)で上回る。さらにNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛)が1分17秒995(同2分35秒787)、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴)が1分18秒042(同2分35秒883)と立て続けに38号車を上回ってくる。その直後にはNo.36 au TOM'S GR Supraの坪井翔がコースアウト寸前の激走を披露。そして1分17秒748と、同い年のパートナーである山下のQ1をも上回るタイムを叩き出し、合算2分35秒561でトップに躍り出た。続く38号車の石浦もアタック継続中だったが、記録したタイムは1分18秒337(同2分35秒986)で、予選4位に留まった。この結果、No.36 au TOM'S GR Supraの坪井翔/山下健太組がポールポジションを獲得。さらに今季から増えたシリーズポイント3点も獲得した。予選2位はNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛/中山雄一組。そしてHondaの新型車CIVIC TYPE R-GTのNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTの山本尚貴/牧野任祐組も予選3位となり、それぞれ2点、1点のシリーズポイントを手にした。Q1トップの23号車だが、ロニー・クインタレッリのQ2ベストタイムが1分18秒757と、合算で2分36秒246となり、NISSAN Z NISMO GT500勢の最上位ではあるものの、予選6位から決勝レースでの逆襲を狙うことになった。GT500 ClassNo.36 au TOM'S GR Supra坪井 翔朝(午前の公式練習)から調子は割と良くて、特に僕が走ったコンディションのときが良かったので(1分)17秒とか出していたし、予選もその“景色感”で走れて。(アタックラップでは)1コーナーでだいぶ失敗したので(タイムの)伸び代はもうちょっとあるかなというところで、(ピットに)帰ってきて『ポール(ポジション)だ』と話を聞いたときにはビックリするくらいの大失敗をしていたので、ひとまず(ポールポジションを)獲れて良かったなというところと、ちょっとクルマのバランス的にもまだ煮詰めきれてない場所もあって、ちょっと乗りづらいなかでQ1、Q2を走ったのかなというところもあったので、伸び代を感じている上ではすごくいい流れだと思います。(3月の公式)テストからずっと好調でここまで来ていますが、テストが好調で予選で“あれ!?”っていうことがよくあるので、それが不安で仕方なかったんです。ここまでうまく来てるので、この流れをしっかりキープして明日(決勝)に繋げたいと思います。そういえば、ちゃんと走ってポールは初で……。去年は(第3戦鈴鹿で)ポールを獲ってますが、(上位の失格による)繰り上がりだったので嬉しいです。明日の決勝に向けては、36号車はいつも決勝に強いと思ってます。ただ、今年はパッケージなどいろいろ変わっているのでやってみないとわからない部分があるんですが、どちらかというと、予選よりは決勝に自信を持ってるつもりです。朝の公式練習でも手応えは悪くなかったので十分(勝てるチャンスは)あると思います。ここ岡山は300kmレースで距離としては短い方なので、予選順位が結構大事になってくるのがわかっていたし、そういう意味で一番前でスタートできるのは有利。あとは展開次第ですが、セーフティカーやFCYとか混乱に巻き込まれないようにできれば、自ずと(勝つ)チャンスはあると思うので、ここまできたら開幕戦を優勝して、いい流れで(シーズンを)迎えたいと思います。山下 健太ポール(ポジション)を獲れたということで、非常に今年のスタートとして最高のスタートなので、うれしい反面、自分のQ1は5番手と微妙な結果だったので、そこから大どんでん返しくらいの...
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