SUPER GT第4戦がツインリンクもてぎで開催。開催時期やハンディウェイトの有無、レース距離など例年と異なったことから、決勝終盤は白熱した戦いとなった。そのなかで、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手 晃平 / 千代 勝正)が7位入賞。開幕戦から4戦連続でシリーズポイントを獲得した。レースウィークのツインリンクもてぎは設営日から不安定な空模様。晩夏の暑さは残っていながら、雷雨で気温や路面温度が下がるなど、コンディションはめまぐるしく変わっていった。
決勝日の天候も全く読めない中、12日(土)午前中の練習走行では各車が予選・決勝に向けて精力的に走行メニューを消化していった。GT500クラスの公式予選は15時過ぎにスタート。直前に行われたGT300クラスのQ1セッション時に雨が降り出し、GT500クラスの予選もウェット宣言のもとでセッションが進んでいった。濡れて滑りやすい路面の中、じっくりとタイヤのウォームアップを行った各車は徐々にタイムアップ。まずは#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生 / ロニー・クインタレッリ)が1分39秒695をマークすると、続いて#3 GT-Rが1分39秒620で#23 GT-Rを逆転しQ2圏内に滑り込む。2台は続けてアタックに向かい、それぞれ0.5秒ほど自己ベストタイムを更新したが、黄旗提示中のタイムのため採択されず、#3 GT-Rが10位、#23 GT-Rが11位となった。#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木 大樹 / 平峰 一貴)は12位、#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星 明誠 / ヤン・マーデンボロー)は15位だった。予選日から一夜明けたもてぎは、朝はまだ夏の日差しが照り付けていた。しかしスタート時刻が迫るにつれて雲の量が増え、次第に曇天に。気温27℃、路面温度34℃というコンディションで13時に決勝レースがスタートした。レース前半は、#12 GT-Rのスタートドライバーを務める平峰が果敢な追い上げを見せた。1つ前を走る#23 GT-Rのクインタレッリと共にオープニングラップで2つポジションを上げると、翌周には8番手のマシンのミスを見逃さずに2台でさらに順位を上げた。2台のGT-Rは1秒を切る差で接戦を展開していたが、8周目に平峰がわずかなスキをついてクインタレッリをかわし、8番手につけた。その後レースは、GT500クラスとGT300クラスの車両が接触するアクシデントが発生し、車両回収のためにセーフティカー(SC)が導入される。15周目にレースが再開すると、その周の90度コーナーで1台をとらえて6位浮上。5位とは3秒近いギャップが開いていたが、見る見るうちに追いついていった。3番手を走るマシンのペースが上がらず、3位以降は数珠つなぎのような状態で、#12 GT-Rはさらに2台をとらえて表彰台目前まで近づいていった。27周を終えるところでピットへ向かい佐々木にドライバー交代すると、5位でコースに復帰。その後4位に順位を上げますが、30周を過ぎるころから3位のマシンとの差が徐々に開いていき、逆に後ろから数台が集団になって差を詰めてきました。佐々木はなんとかポジションをキープしようと懸命に走行を続けますが、39周目に隙を突かれ、一気に9位にまで後退してしまった。その後もペースが上がらず苦しい終盤になってしまったが、佐々木は最後まで走り切り12位完走を果たした。#12 GT-Rに代わって日産勢の最上位に上がったのは#23 GT-Rだった。5位集団の中で6位まで順位を上げると26周を終えるところでピットイン。松田にドライバー交代し、暫定5位でコース復帰する。前半のクインタレッリ同様、前後共に間隔が縮まった集団の中で、松田はポジションアップを目指したが、46周目に2度目のSCが入り、51周目に再開したのちに6位に後退してしまい、最終的には8位となった。予選10位からスタートした#3 GT-Rの平手は、前のマシンとは1秒を切る差まで接近するも、なかなかオーバーテイクに至らず序盤は我慢の展開となった。順位が変動しないなか、26周を終えたところでドライバー交代のためにピットイン。暫定12位でレース後半をスタートする。フレッシュタイヤでの追い上げで前方の集団に追いつくと、接近戦のなかで8位まで順位を上げていった。46周目、コース上に落ちていたパーツを回収するために今大会2度目のSCが導入される。残り13周というところでレース再開。GT500クラスはトップから後方まで一気に間隔が縮まり、いたるところで激しいバトルが展開された。#3 GT-Rの後半スティントを託されていた千代は、最後までプッシュを続け最終ラップに#23 GT-Rをかわし7位でフィニッシュした。#24 GT-Rは最後尾からの追い上げに期待がかかり、スタートドライバーの高星が1つ順位を上げたが、後半スティントでマーデンボローが他車と接触してしまった。マシンにダメージを負ってしまったため、周回遅れで13位完走となった。平手 晃平「スタートで2つ順位を下げてしまいましたが、集団の中でチャンスがあれば取り戻そうとプッシュしました。僕の担当した前半スティントは苦しい状況でしたが、後半のタイヤ選択を含め全体としてはうまくいったと思います。ここまで4戦ポイントを獲れているのはいいことだと思いますが、なんとか大量得点ができるよう、次戦の富士も頑張ります」千代 勝正「もてぎはオーバーテイクがなかなか難しいコースですが、前半の平手選手がマシンをいい状態で渡してくれたので、僕のスティントでリスクを負ってプッシュができました。接戦の中で大変なレースでしたが、ポイントを獲れてよかったです。シーズンも折り返しを迎えるので、次戦こそ上位フィニッシュできるよう頑張ります」田中 利和 監督「今週末のレースは表彰台を狙っていましたので、目標に届かなくて残念です。予選のアタックラップに黄旗が出てしまい、レースは後方からのスタートとなってしまいました。抜きにくいコースレイアウトのもてぎで、1点でも多くのポイントを取ろうとしぶとくあきらめずに走って得た7位。このしぶとさはチームのいいところです。次のレースもまた頑張りますので、引き続き応援をお願いいたします」【GT300】GT300クラスは、予選で#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木 孝行 / 柴田 優作)がチーム初のポールポジションを獲得。決勝レースでは終盤までトップ争いを繰り広げましたが、残り数周のところでガス欠によりストップ。100kgのハンディウェイトを搭載した#11 GAINER TANAX GT-R(平中 克幸 / 安田 裕信)が6位フィニッシュでシリーズポイントをさらに積み重ね、ポイントリーダーを維持した。
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