富士スピードウェイでSUPER GTとDTM(ドイツツーリングカー選手権)の特別交流戦「Dream Race」がついに実現。日本と欧州のマニュファクチャラー、トップドライバーによる共演が日本で初めて行われた。23日(土)のレース1はKeePer TOM'S LC500 37号車を駆るニック・キャシディがポール・トゥ・ウィンでこの歴史的な初レースを制した。24日(日)のレース2はセーフティカーが3度も入る大荒れのレースとなり、37号車の平川亮がLEXUS勢最上位8位に終わった。
11月22日(金)から24日(日)にかけて、静岡県の富士スピードウェイで「AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT x DTM 特別交流戦」が開催された。日本を中心にアジアで戦われているSUPER GTのGT500クラスと、ドイツを中心に欧州を転戦し戦われているDTMは、共に高い人気を誇る、世界トップクラスのGT車両によるレースカテゴリーで、以前より技術規則の共通化を図ってきた。そしてついに今年、ほぼ同一の規則に準拠する車両となった2シリーズが、お互いにスポット参戦する交流戦が実現。10月には先んじてドイツ・ホッケンハイムで行われたDTM最終戦にSUPER GT車両が出場し、そしてこの週末、日本で初めて、SUPER GTとDTMが同じレースを戦う「Dream Race」が行われることとなった。車体主要部分となるモノコックやエンジンの規則は同じだが、それ以外に細かい規則の違いがあるこの2シリーズが戦うにあたり、今大会に向けたルールのすりあわせが行われ、タイヤはDTMで用いられているワンメイクの、日本とは異なるものを使用。レースは1人で戦うスプリントであるDTMにあわせて、ドライバー交代無し、タイヤ交換義務ありの55分+1周のスプリントレースを土曜、日曜にそれぞれ実施。2人で戦うSUPER GTドライバーは土・日に分かれて出走することとなった。SUPER GT勢にとっては未知のタイヤ、DTM勢にとっては未知のコースということもあり、21日(木)より練習走行を実施。21日(木)はドライ、22日(金)はヘビーウェットでの走行となり、各チームSUPER GTとは全く異なるタイヤ特性に苦しみながらもデータ収集とセッティング作業を行った。レース123日(土)はレース1の予選と決勝を実施。午前9時25分より、20分間で行われた予選は、まだ軽い雨が残る中、ウェット路面で行われた。慣れないタイヤ、しかもウェットという難コンディションだったが37号車のキャシディが速さを見せポールポジションを獲得。WedsSport ADVAN LC500 19号車の坪井翔が9番手、au TOM'S LC500 36号車の関口雄飛が10番手、チャンピオンカーであるWAKO'S 4CR LC500 6号車の山下健太が11番手。富士マイスター立川祐路のZENT CERUMO LC500 38号車は15番手、DENSO KOBELCO SARD LC500 39号車の中山雄一は17番手グリッドから決勝に臨むこととなった。午後2時半、レース1決勝は、濡れた路面が乾きかけているというタイヤ選択の難しいコンディションだったが、後方の2台を除いてほとんどがスリックタイヤで臨んだ。ローリングスタートながら、通常とは異なる、車間をぴったりと詰めた「インディ方式」でスタートが切られ、世界最高峰のモンスターGT車両が密集したまま4ワイド、5ワイドでTGRコーナー(1コーナー)へと進入。大迫力のスタートながらトップドライバーのテクニックによりアクシデントはなく、ポールポジションのキャシディは首位をキープ。序盤から後方を引き離して行った。その後方では坪井、山下、関口の3台のLEXUS LC500によるサイド・バイ・サイドの4位争いとなり、各所で迫力の接近戦が繰り広げられた。中盤、義務づけられたピット作業では、関口が隣のピットに同じタイミングで入ってきた車両により行き場を失いタイムロス。大きく順位を落としてしまった。キャシディの首位独走は続き、終盤には2位との差を8秒まで広げましたが、残り8分となったところでピット出口に停まってしまった車両排除のためにセーフティカーが導入。各車のマージンは帳消しとなり、再び密集した「インディスタート」で残り2分を切っての再スタート。首位のキャシディは後続からの猛追を受けるも逃げ切り、トップでチェッカー。歴史的な一戦での最初のウィナーに輝いた。再スタートでジャンプアップを果たした関口と、坪井、山下が再び三つ巴のバトルを繰り広げ、山下が4位、坪井が5位フィニッシュ。関口は7位、立川が9位、中山雄一が16位でチェッカーを受けた。レース224日(日)は朝方まで降った雨により、午前9時からの予選はウェットコンディションで行われた。各車一旦タイムを出してピットインし、タイヤを交換して再アタック。しかし、LEXUS勢はタイムをのばすことができず、37号車の平川が9番手、38号車石浦が10番手、36号車中嶋一貴が11番手。19号車の国本が14番手、39号車コバライネンが16番手、6号車大嶋は20番手と後方グリッドから追い上げを図ることとなった。その後天候は急激に回復。昼には強い日差しで気温も20度を超え、暖かさを感じるほどとなり、路面はほぼドライコンディションとなった。決勝レーススタート時には雲がかかり始め、風も強まってやや涼しくなったものの、気温21度、路面温度21度という11月末としては暖かな中で、午後2時30分にレース2のスタートが切られた。再び超接近「インディスタート」から3台、4台が並んだままTGRコーナーへと進入する激しいバトルの中、LEXUS勢は最上位の平川が8位へとひとつポジションをアップした。この日はタイヤバースト車両により9周目にセーフティカーが導入。中盤にもタイヤバーストが発生し2度目のセーフティカーが導入された。この2度目のセーフティカーからの再スタート直後には、コカコーラコーナー、そして13コーナーで接触によるアクシデントが発生。この多重クラッシュには、中団グループを形成していた5台のLEXUS LC500が巻き込まれ、38号車と36号車はダメージが大きくそのままレースを終えることとなってしまった。このアクシデントで3度目のセーフティカーが導入。レースは55分を経過し、最後の1周という超スプリントでの再スタートが、インディ方式ではなく通常の形で切られた。LEXUS勢では唯一無傷で生き残った37号車の平川が8位でフィニッシュ。大荒れとなったレース2で無事シングルフィニッシュを果たした。KeePer TOM'S LC500 37号車 ドライバー ニック・キャシディ:歴史的な交流戦の最初のレースで勝つことができ大変嬉しいです。2つのカテゴリーの交流戦という、夢の実現は我々にとっても素晴らしいことですし、将来はもっとこのような機会が増えることを願っています。回数を重ねていけば、もっと激しいバトルができると思...
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