鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラが開幕。2スペックタイヤ使用と、300kmの長丁場で大乱戦となった開幕戦で、14番手スタートの関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が見事な追い上げを見せ2位表彰台を獲得。石浦宏明(P. MU / CERUMO・INGING)が7番手スタートから4位でフィニッシュした。スーパーフォーミュラの第1戦が4月21日(土)、22日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
日本のトップフォーミュラシリーズである全日本スーパーフォーミュラ選手権の2018年シーズンが、例年通り鈴鹿サーキットで開幕戦を迎えた。トヨタは今季もこのスーパーフォーミュラで6チーム11台にエンジンを供給。5年目を迎えたSF14シャシーで戦われる最後の年となる今年もタイトル獲得を狙う。今季のスーパーフォーミュラにおける大きな変更点は、昨年まで何戦かで試行されてきた2スペックタイヤ制の全戦での採用。これまで利用されてきたミディアムタイヤに加え、よりグリップが高いものの、耐摩耗性で劣るソフトタイヤも使用出来るため、戦略面やセッティングの調整など、勝負を左右する要素が増え、更なる熱い戦いが期待される。今季のスーパーフォーミュラには、昨年若くしてSUPER GTのチャンピオンに輝いた平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の復帰など、ドライバーラインナップにおいても新たな顔ぶれが加わり、実力派のベテラン、若手との激戦が予想される。開幕戦鈴鹿は、他のレースよりもやや長い300kmでの争い。今シーズンを占う上でも重要な一戦として注目を集める中で行われた。 予選21日(土)は朝から好天に恵まれ、気温、路面温度共に4月とは思えない暖かな陽気の下で、午前中のフリー走行に続き、午後にノックアウト方式での予選が行われた。午後3時45分、気温23度、路面温度33度というコンディションの下でまずは20分間のQ1が開始。このQ1は、ミディアムタイヤのみ使用という条件の中、各車まず一旦タイムをマークしてピットへ戻り、残り7分程から再コースイン。目まぐるしく順位が入れ替わる中、トヨタ勢はセッティングがあわず苦戦を強いられ、昨年のシリーズチャンピオンである石浦宏明(P. MU / CERUMO・INGING)が当落ラインぎりぎりの14番手でかろうじてQ2へ進出。昨年ルーキーながら速さを見せたニック・キャシディ(KONDO RACING)はタイムを伸ばせず15番手、大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)が16番手、今季2年ぶりの復帰となったジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)が18番手。元F1ワールドチャンピオンの孫で今大会スーパーフォーミュラデビューとなったピエトロ・フィッティパルディ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)も洗礼を受け、19番手で4台がQ1敗退となってした。Q2(7分間)は各車ソフトタイヤを投入し、更なるタイムアップへ各車アタック開始。しかし、残り1分を切ったところで平川亮がデグナーカーブでコースアウト。セッションは赤旗となり、残り3分、一発アタックでの決戦となった。セクター前半で好タイムをマークしながら赤旗に阻まれタイムを出せていなかった山下健太(KONDO RACING)と関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は再アタックを途中で諦め、13番手、14番手。アタックタイムをマークした車両も、当落ラインを含む7,8台がコンマ3,4秒の中に入る相変わらずの超僅差での争いとなる中、国本雄資(P. MU / CERUMO・INGING)、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が8番手とコンマ1秒強の差で涙を飲み、Q3進出を逃すこととなってしまった。トヨタ勢では再アタックに新品タイヤを投入し、タイムアップを果たした中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)と一度目のアタックで好タイムをマークしていた石浦宏明、平川亮がQ3進出。しかし平川亮はコースアウト後、自力でピットへと戻れなかったためQ3での出走はならず、8番手グリッドが確定。Q3(7分間)のアタックでは、石浦宏明が6番手、中嶋一貴は7番手グリッドにつけ翌日の決勝レースに臨むこととなった。 決勝22日(日)は前日以上に気温が上がり、気温26度、路面温度40度という暖かなコンディションの下、午後1時50分に51周、約300kmで競われる決勝レースのスタートが切られた。予選上位のライバル勢がミディアムタイヤでのスタートを切る一方で、予選で苦戦したトヨタ勢は多くがソフトタイヤでスタート。9番手グリッドから絶好のスタートを決めた国本雄資が5位へ浮上。13番手スタートの山下健太が7位へとポジションアップ。7番手スタートの中嶋一貴もスタートで出遅れた石浦宏明をかわした後、2周目の1コーナーで更に1台をパスし、国本雄資に続く6位につけた。12周目、早くも山下健太がピットイン。最後尾ながら誰も居ないスペースに復帰した山下健太はハイペースで周回を重ねた。18周目、序盤9位へポジションを落としたあと追い上げを見せていた平川亮がピットイン。素早いピット作業にも助けられ、山下健太のすぐ後でコースに復帰。その後、各車は次々とピットインしていったが、関口雄飛がソフトタイヤスタート組では最後となる24周目まで引っ張ってピットイン。チームメイトの平川亮の直前でコースに復帰した。ピットアウト直後でタイヤが暖まっておらず、ペースの上がらない関口雄飛に対しパッシングを仕掛けた平川亮だったが、ヘアピンの進入で関口雄飛と接触。イン側の縁石に乗り上げる形となった平川亮はコントロールを失い、タイヤバリアにクラッシュ。レースを終えることとなってしまった。ミディアムタイヤでスタートした上位勢は30周あたりでピットへ向かい、順位が入れ替わりました。33周目に全車が1回目のピットを終えた時点で、山下健太が大健闘の3位、ミディアムタイヤながらハイペースで周回を重ねた関口雄飛が4位へとポジションを上げていた。しかし、早めのピットイン作戦を採っていた山下健太は、再度の給油ピットを必要としており、37周目に2度目のピットイン。ライバルも1台が2回ピット作戦を採ったため、関口雄飛が2位へ浮上した。2位の関口雄飛は終盤、ペースの上がらない首位の車両に対し、毎周1秒以上も速いペースで猛追。残り8周の時点で10秒以上あった差を、ファイナルラップでは2.6秒差まで詰めて見せたが、それ以上の追い上げはならず、2位でチェッカー。それでも14番手と後方のスタートから12ものポジションアップを果たし、表彰台を獲得した。スタートでポジションを落としながらも後半見事な追い上げを見せた石浦宏明が4位。各所で激しいバトルを見せ観客を沸かせたニック・キャシディが7位、中嶋一貴が8位でポイント獲得。一時は2位を...
全文を読む