2017 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第3戦が、7月8日(土)~9日(日)の両日、静岡県駿東郡小山町に位置する富士スピードウェイで開催される。前戦岡山大会より1ヶ月半、ル・マン24時間レースという大きなイベントを挟んで、日本最速の4輪レース、スーパーフォーミュラがトヨタのホームコース、富士を舞台に再開される。
1ヶ月半ぶりのスーパーフォーミュラ、舞台は富士へ世界レベルドライバーによる超僅差、超高速のバトルに注目2014年にシャシー、エンジン共に一新され、4年目を迎えた現行レギュレーションでのスーパーフォーミュラだが、毎年改良と熟成が進められ、その速さは着実に高められている。今季は開幕戦鈴鹿でコースレコードを更新したほか、今大会が行われる富士でも、春の合同テストで非公式ながらコースレコードが更新されている。毎戦、100分の1,1000分の1秒単位での激戦が繰り広げられるスーパーフォーミュラは、更なる速さと迫力でファンを魅了してくれるはずだ。スーパーフォーミュラは言うまでも無く日本のトップフォーミュラだが、参戦するドライバーはもちろん世界レベル。ル・マン24時間レースで世界を相手に戦ってきたドライバー達が、帰国後初めて国内のファンの前でレースを戦う。長いストレートとテクニカルセクションを併せ持つ富士はセッティングも難しく、オーバーテイクを含めた超ハイスピードバトルが期待される。2戦、3レースを終えて迎えた第3戦、まだまだランキング争いも混沌としている中、中盤戦へ向け一歩抜け出すためにも重要な一戦となりそうだ。ロングストレートが特徴の国際コース1966年に開設され、60年代から70年代にかけて日本グランプリを開催するなど長い歴史を持つ富士スピードウェイ。2005年にリニューアルオープンし、2007年、2008年にはF1日本グランプリを開催。2012年からは世界耐久選手権(WEC)の1戦に加わるなど、日本を代表するサーキットである。約1.5kmもの長いストレートが特徴だが、後半には中低速コーナーの連続するテクニカルなセクションもあり、セッティングの難しいコースだ。このロングストレートや序盤の高速コーナーを含む高速セクションと、後半の低速セクションの妥協点をどこに置くかがセッティングのポイント。ストレートエンドでの最高速や、セクター毎のタイムの違いなどから、チーム毎のセッティングの違いを探すのも富士での楽しみ方と言える。3レースで3人のウィナー。混沌とした争いを抜け出すのは?前戦大活躍のヤングルーキーにも注目今季のスーパーフォーミュラはここまで2戦、3レース(第2戦は2レース制)を終え、3人のウィナーが誕生する混戦となっている。開幕戦鈴鹿は中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)がポール・トゥ・ウィンで圧勝。第2戦岡山のレース1はアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)、レース2では関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が速さを見せて勝利をつかんだ。この時点でランキング首位に立ったのはロッテラー。しかし、5位の関口までは僅か2点差。今季未勝利ながら第1戦4位、第2戦のレース2でポールから2位と安定した速さを見せる石浦 宏明(P.MU / CERUMO ・ INGING)も3位タイでこの中に含まれている。ディフェンディングチャンピオンの国本 雄資(P.MU / CERUMO ・ INGING)も第1戦で3位表彰台に上っており、ランキング6位で続く。そして、昨年まで苦しいレースが続いていた小林 可夢偉(KCMG)が第2戦4位、5位とポイントを稼ぎランキング7位につけている。ル・マン24時間レースで驚速のコースレコードタイムをマークした小林の速さが日本で発揮される日も近いはずだ。そして、注目なのは第2戦のレース1で3位表彰台を獲得したニック・キャシディ(KONDO RACING)と、レース2で予選2番手を獲得した山下 健太(KONDO RACING)。どちらも今季からスーパーフォーミュラに参戦するルーキーながら、そのイキの良い走りで、ベテラン、チャンピオン経験者の上位争いに割って入ってくれることを期待したい。トヨタの「ホーム」富士での夏のスーパーフォーミュラ/フォーミュラ・ニッポンは、2010年以来、連続勝利が続いており、昨年はトップ7を独占した。今季参戦組では中嶋一貴が2位、そして関口が3位で初表彰台に上り、昨年の快進撃のきっかけを作った一戦でもある。この富士大会の後は、8月半ばから2,3週おきの3連戦が待っている。この3連戦に向けて勢いに乗るのは誰かを占うという意味でも、注目の一戦だ。
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