山本尚貴は、スーパーフォーミュラ第7戦モビリティリゾートもてぎで、TCS NAKAJIMA RACING移籍後初勝利を収めた。予選で久々のポールポジションを獲得した山本尚貴は、ウェットレースとなった決勝で終始トップを守り切り、2020年の第5戦鈴鹿以来、約1年8ヶ月ぶりの優勝を果たした。
「うれしいのひと言です」と山本尚貴はコメント。「今日のレースを振り返ると、まず雨になったということで、どのドライバーもチームも、ウェットセットに完全にはできない中でスリックタイヤからウェットタイヤに変えてスタートするっていうことになり、どのチームもウェットに対して絶対的なアドバンテージがあるわけではないので、もうこうなったら出たとこ勝負でドライバーの頑張り次第だなと思い、まずは失敗しないようにすることを心掛けていました」「スタートもちょっと心配はあったんですけど、幸いセーフティカースタートになったということで、そこもリスクが回避されて勝つためにひとつステップが踏めたと思ってますし、そのあとサッシャ(フェネストラズ)選手……特に野尻(智紀)選手のペースが良さそうなのはモニターで見てましたし無線でも状況を伝えてもらっていたので、その辺はいつ相手がペースアップしてもいいようにタイヤの管理はしてたんですけど、いざうしろが近づいてきた時、自分のペースを上げようとした時には正直あまり余力は残ってなかったんです」「第3戦の鈴鹿のウェットレースを見ても、ベースの上げ方次第では、本当に最後の1周までわからないっていうのをレースを見て知っていたので、そこら辺を上手くマネージメントして、できるだけ頑張って勝つために走ってました。終わってみれば、最後セーフティカーも出て、それも結果的には自分には風向きが良い方向で吹いてくれて。ここまでなかなかうまくい行かないレースが続いたんですけど、本当に努力していたのはどのレースも今回も何も変わってないんですが、何か勝てる時ってこういう風にぽんぽんって勝つことができるんだなって。改めて不思議だなと思いました」「グリッドでのインタビューでも答えましたが、腐らずに諦めることなく頑張り続けて本当に良かったです。またそういった環境を常に用意し続けてくれたチームとHRCの皆さんに本当に感謝しています」「レースでは、途中どんどんドライアップして(コース上の)水量が減り、(タイヤの)内圧が少し上がってきはじめたので、少しペースを上げることが難しくなってしまいました。ここらで雨が降るかセーフティカーが入ってくれたらなって思った瞬間に、セーフティカーが入った上にかなり雨量が増えたので。あのままレースを続けるのは結構危ないなっていうくらい水量が一瞬増えました。でもそれも一瞬だったので最後は何とか走れるレベルだったんですけど、本当に勝てる時ってこういう風に勝てるんだなっていうのは改めて感じましたね」レースには、先日、学校訪問した母校の作新学院の生徒たちがレース観戦に来ていた。「諦めないで努力し続ければ、必ずいいチャンスが巡ってくるということを(訪問時に)みんなの前で言ってもてぎに来た手前、それを体現できてうれしいです。責任もプレッシャーもありましたが、ひとつ形にすることができて。努力すればみんな夢が……目標が叶う訳じゃないですけど、やっぱり腐らない、諦めないっていうことが重要ということを生徒さんに見せることはできたのかなと思うと、生徒さんにはまた夢や目標を見つけてそこに向かって頑張ってくださいと伝えたいですね」