2026年のF1カレンダーにバルセロナのレースも含まれているものの、スペインGPは来年からマドリードに移る。そのため、バルセロナのグランプリには新たな名称が必要となり、すでにそれが決定している。このレースは2026年から正式に「バルセロナ-カタルーニャGP」として開催される。これはサーキットの運営者が確認したもので、サーキット名と同じ名称になる。
この名称の選定により、F1は例えばMotoGPとは異なる道を選んだ。MotoGPでもスペイン国内で複数のレースが行われているが、バルセロナのグランプリは伝統的に「カタルーニャGP」として開催されている。同一国内で複数のレースを開催する「問題」はF1では珍しくなく、過去には創意工夫に富んだ、時に奇抜な名称の採用に至った例もある。1990年代のドイツでは、ホッケンハイムとニュルブルクリンクでレースが行われていた。当時、ドイツGPはホッケンハイムが開催地だったが、ニュルブルクリンクでは「ヨーロッパGP」として何度もレースが開催され、2度は「ルクセンブルクGP」として行われた。さらに2020年には「アイフェルGP」という名称でも開催された。新型コロナ禍の2020年と2021年には、シュピールベルクでオーストリアGPのほかにもう1戦開催され、それぞれ「シュタイアーマルクGP」として名付けられた。そして2025年の現行F1カレンダーにも同様の例がいくつか存在する。モンツァでのレースは伝統的な「イタリアGP」として開催されているが、イモラで行われる第2のイタリアラウンドはすでに数年にわたり「エミリア・ロマーニャGP」という名称が使われている。また、公式のアメリカGPがオースティンで開催されている一方で、「マイアミGP」と「ラスベガスGP」という2つの米国レースもある。なお、「新たな」バルセロナ-カタルーニャGPがカレンダーにどの程度残るかは不透明だ。というのも、このサーキットとF1との現行契約は2026年に満了を迎える予定であり、来年の初開催が同時に(ひとまず)最後の開催となる可能性もある。
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