7度のF1ワールドチャンピオンであるミハエル・シューマッハが、パリで極秘に治療を受けたと報じられている。フランス紙 Le Parisien は、9月9日(月)に細胞治療を受けるためにパリのジョルジュ・ポンピドゥー欧州病院に入院したと報道。同紙は「月曜日の午後3時40分にジョルジュ・ポンピドゥー欧州病院の1階に担架が到着した」と報道。約10人で構成された警備隊のもと、青い布で“顔と身体は完全に覆われた”状態で心臓血管科に移動されたとしている。
ミハエル・シューマッハは、同病院の外科医フィリップ・メナシェから心臓血管科で体内に抗炎症作用をもたらすための幹細胞移植を受けるという。同医師は2014年に世界で初めて心不全患者に胚細胞移植を行った“心不全に対する幹細胞療法の先駆者”として知られている。心不全とは、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をいう。症状としては、息切れや易疲労感、呼吸困難、浮腫、動悸、胸痛などがあるが、重症化すると安静時でも症状を自覚するようになる。抗炎症の治療ということは心筋症を患っていることになる。心筋症は、心筋へのウイルス感染が原因となり、炎症を起こすことによって心筋障害を起こして心不全に至る。ミハエル・シューマッハ(50歳)は、2013年12月のフランスアルプスでのスキー事故の後、頭部に重傷を負ったという以外、容態については非公開となっている。ただ、歩行や適切なコミュニケーションが取れていないとの証言もあり、寝たきりの状態で治療を受けているようだ。その状態で心不全の症状が出ているということは重症化しており、今回の治療は心臓幹細胞移植によって心筋細胞再生させて心臓の機能を改善させるためのものだと推測できる。報道によると「治療は火曜日(10日)に開始され、水曜日(11日)に退院する」という。また、ミハエル・シューマッハは今春に同病院ですでに2度治療を受けているという。