佐藤琢磨は、インディカー 第12戦 トロントの決勝レースを5位でフィニッシュした。レース決勝日は好天に恵まれ、全長1.786マイルのコースには朝からとても多くの熱烈なインディカーファンが集まっていた。心地よい夏の一日のストリートで繰り広げられる激しいバトルを彼らは堪能することになった。
85周で争われるレースは、少しレイアウトが変更されたコースで行われたが、どのタイミングでピットストップを行い、どのポジションを走るかが結果に大きな影響を与える戦いとなった。新しいコースレイアウトはドライバーたちに昨年までとは異なるテクニックやマシンセッティングを要求し、レースをとても興味深いものとしてした。そして、折り返し点を越えて少し経った58周目に起きたアクシデントが、とても重要なキーポイントになった。佐藤琢磨は、アクシデント前にピットインして給油とタイヤ交換。この作戦を功を奏して大きくポジションアップすることに成功した。走行初日の金曜日には順調にマシンセッティングを進めていたが、土曜日になってバランスが狂い始め、予選は出場22台中の20番手と厳しいグリッドとなっていた。しかし、決勝日の朝のプラクティス・ファイナルでマシンを大きく向上させ、レースでは安定して速いペースを保ち、チャンスを待っていた。レースが終盤に入ってから4番手まで順位を上げることに成功した佐藤琢磨は、1台にパスは許したが、ロングビーチで記録したシーズン自己ベストに並ぶ5位でゴールした。インディカーシリーズの次戦は7月31日にHondaの中西部のホームレース、Hondaインディ200の決勝がオハイオ州コロンバス郊外のミッドオハイオ・スポーツカー・コースで開催される。佐藤琢磨(5位)「厳しい状況にあった私たち14号車の週末でしたが、レースではすばらしい結果を手にすることができました。予選は20番手で後方から追い上げるレースとなりましたが、ラリー・フォイトとチームのエンジニアたちが的確な作戦を考え、クルーたちはスピーディーな作業でマシンをコースに戻し続けてくれました。マシンもハンドリングも土曜日までとは大きく違い、速いラップタイムを安定して刻み続けることのできる状態になっていました。本当にファンタスティクなレースを戦えたと感じています。コース上で何台かのマシンをパスすることができましたし、燃費セーブも行いながら、目標とする数字を実現しながら、ライバルたちと戦うこともできていました。最後に出たイエローに助けられた面もありましたが、今日のような激しいレースを戦い抜くことができたのは、チーム全員の力があってのことです。チームを大きな誇りと感じています」