佐藤琢磨は、インディカー第7戦デトロイトの予選で4番手を獲得した。今週末はデトロイトリバーに浮かぶ島、ベル・アイルに特設されるストリートサーキットでシリーズ第7戦、第8戦の2レースが行われる。今年のインディカー・シリーズでのダブルヘッダーは、このデトロイトだけとなる。
3段階で争われる予選は、幸いにも雨が止んで晴れ間が広がったコンディションで繰り広げられ、ホンダドライバー11人の中から佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)が最速ドライバー6人で競われるファイナルセグメントに進出し、4番手となった。昨年のデトロイトでは、レース2の予選でポールポジションを獲得した佐藤琢磨が、得意のコースで実力を発揮。いきいきと予選アタックを行い、今シーズンの予選における自己ベストを記録した。開幕戦で、ほかのマシンやウォールに接触した際にフロントウイングのパーツが飛散するケースが続出したため、インディカーはエアロキットを供給するホンダとシボレーに強度を高めるための改良を求めた。対策済みウイングは第2戦から早くも実戦投入され、それ以上のルール変更はないものと思われた。ところが、第5戦グランプリ・オブ・インディアナポリスで再びパーツの飛散があったため、インディカーはウイング両端が重過ぎると判断し、ホンダにさらなる装着強度増、あるいはワイヤーの装着を要求し、それができない場合はエンドプレートを取り外さなければならないことと決定した。すでに強度増の対策を一度施しているホンダとしては、エンドプレートを取り外すこととなった。上記の理由から、ホンダチームは第5戦までと異なる空力パッケージでマシンセッティングを行う必要に迫られたが、難しい状況下でも佐藤琢磨とA.J. Foyt Racingがマシンのパフォーマンスを引き出し、奮闘を見せた。コースの大半の路面が改修されたデトロイトだが、昨年まで以上にバンピーさが激しくなっており、マシンセッティングもドライビングも難しくなっていた。しかし、デトロイトのコース攻略のポイントをつかんでいる佐藤琢磨は、予選第1セグメントのグループ1では3番手、予選第2セグメントは5番手でクリアし、ファスト6による予選ファイナルで1分16秒5363をマークして4番手、グリッド2列目外側からスタートする権利を獲得した。佐藤琢磨(4番手)「今日の予選で私たちのチームはとてもよい走りができ、ファイナルセグメントを戦うことができました。今シーズンの私たちは開幕戦セント・ピーターズバーグで一度トップ6入りをしており、今日こうして再びトップ6に入ることができ、とてもうれしかったですね。今日はマシンのハンドリングがよかったです。特に、予選の第1セグメントでのマシンがすばらしかった。ホンダとHPDがマシンを速くするべく努力を続けてきてくれているおかげです。その上、私たちのチームはレースに向けたマシンの準備も順調に進めることができています。土曜日に行われる今週最初のレースが楽しみです」