佐藤琢磨が、インディカー開幕戦セントピーターズパーグの予選でホンダ勢トップとなる予選5番手を獲得した。2015年のインディカー・シリーズがいよいよ開幕。今年もシーズン開幕戦の舞台はフロリダ州のリゾート地、セントピーターズバーグ。海辺の空港と市街地の道路を利用したコースは、広い滑走路を使った高速セクションと、次々とタイトターンを走り抜けるテクニカルなセクションで構成される。そのため、高度なドライビングとマシンセッティングが要求される。開幕戦には24台のマシンがエントリーした。
今年のインディカー・シリーズは空力レギュレーションを新たにし、エアロキットと呼ばれる数多くのボディパーツ群を装着したマシンでの戦いとなっている。ギリギリまで開発作業が行われたエアロキットがチームへと届けられたのは2月下旬から3月初旬で、今シーズン用のマシンでのテストが始まったのは3月の半ばだった。各チームとも新しい空力パッケージでの走行時間が少ないまま開幕戦を迎えた上に、セントピーターズバーグはテスト走行が行なえないストリートコースでのレースのため、公式プラクティスが始まってから、いかに短時間でマシンのセッティングを仕上げるかが勝負のカギを握っていた。グリップ力の高いソフトコンパウンドのタイヤを装着しての予選、第1セグメントは2グループに分けられ、それぞれから速いラップタイムを記録した6人が第2セグメントへ駒を進めた。そして、12人で争われた第2セグメントから半分の6人が最終ステージへと進出した。大勢のファンが見守る中での予選最終ステージ、6人のドライバーたちはコンクリートウオールに囲まれたコースで凄まじいアタック合戦を披露した。今年でインディカー・シリーズへの参戦6年目を迎える佐藤琢磨は、昨年のセント・ピーターズバーグでポールポジションを獲得している。A.J. Foyt Racingからの出場が3シーズン目となる佐藤琢磨は、エンジニアやメカニックたちと息を合わせ、これまでに好成績を残してきたコースで、金曜日から元気な走りをみせていた。プラクティス1回目に12番手タイムを出した佐藤琢磨は、予選直前のプラクティス2回目に4番手につけ、予選でも高いパフォーマンスを発揮。第1セグメントでは1分1秒3370というラップタイムを記録してトップで第2セグメントへ進み、12人での戦いでも1分0秒9704まで自己ベストを縮め、4番手で最終ステージに進んだ。トップ6で争われる注目の予選最終ステージ、佐藤琢磨は全力で2ラップのアタックを敢行。セグメント2で使用したタイヤでの走行とあって、タイム更新はならなかったが、それでもベストタイムは1分1秒1496で、今シーズン最初の予選結果は5番手。明日の決勝レースには3列目イン側グリッドからスタートすることになった。佐藤琢磨(5番手)「自分たちができることをすべてやった予選でした。今年はフロントローにグリッドを確保できませんでした。しかし、自分たちの予選でのパフォーマンスには満足しています。近年のこのコースではTeam Penskeが大変手強い存在です。しかし、Honda、HPD、そしてチームのすばらしい働きにより、明日のレースに向けていいポジションを手にできました」