佐藤琢磨が、2013年のインディカーにAJフォイト・レーシングから参戦することが決定した。AJフォイト・レーシングは10日(木)、2013年シーズンに佐藤琢磨をドライバーとして起用することを決め、正式に契約を結んだことを発表。佐藤琢磨はホンダがエンジンを供給するNo.14のマシンでIZODインディカー・シリーズに参戦する。
元F1ドライバーの多くはロードコースでそのキャリアの殆どを築いてきたが、佐藤琢磨は瞬く間にオーバルレースにも適合し、様々なサーキットで優勝争いを演じてきた。とりわけフォイトの関心を引いたのが、新しいファンの獲得に結びついた昨年のインディ500だった。最終ラップで首位のダリオ・フランキッティに挑んだバトルは、最終的には佐藤琢磨がウォールに接触するという劇的なエンディングを迎えたが、極めて勇敢なものであり、佐藤琢磨が身をもって示した「ノー・アタック、ノー・チャンス」という姿勢を、フォイトは高く評価している。佐藤琢磨が参加する2013年のテストは、2月に予定されている。佐藤琢磨「AJフォイト・レーシングから挑戦する2013年シーズンが楽しみで仕方ありません。昨年、チームは優れたポテンシャルを何度も示しました。ドン・ハリデイ率いるエンジニアリング・スタッフはインディカー・シリーズに参戦するチームのなかでもベストのひとつです。来月行なわれる予定のテストをとても楽しみにしています。AJのレーシングドライバーとしての功績は信じられないほど卓越したものです。AJは、様々なタイプのマシーン、サーキット、そして状況のなかで数え切れないほどの栄冠を勝ち取ってきました。そうした経験が、優勝を目指して挑む今年のレースでも大きな助けとなってくれるでしょう。AJならびにチームのサポートがあれば、今年は大成功を収められると期待しています」A.J. フォイト (チームオーナー)「この決定をとても嬉しく思っています。琢磨の豊富な経験がチームにもたらされることを期待していますが、それと同時に、彼は勝利に向かって突き進む貪欲さを持ち合わせています。彼がどれだけ勝ちたいと思っているかは既に証明済みです。琢磨はロードコースでもオーバルコースでも強い、という事実は私にとってとても魅力的ですし、何よりも彼はチャレンジャーです。アメリカにやってきてからの短期間で彼は多くのことを学びました。今年、彼とともに参戦できることを楽しみにしています」AJ フォイト・レーシングチームオーナーのA.J. フォイトは、インディ500、デイトナ500、ル・マン24時間耐久レースの3つを制した唯一のドライバーであり、アメリカで最も人気の高い伝説のドライバー。インディ500で4回の優勝も史上初めて達成している。93年にインディカーからの引退を決め、チームとしては1998年にケニー・ブラックがインディ500を制覇、1996年、1998年にインディカー・シリーズのタイトルを獲得した。2006年末に息子のラリー・フォイトがチームディレクターに就任して以来、エンジニアリング体制の強化を計り、更なる躍進を図っている。