佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、2019年のインディ500を3位でフィニッシュした。5列目14番グリッドからスタートした佐藤琢磨は、1回目のピットストップで右リアタイヤに問題が発生して再ピットインを強いられて一時は周遅れの31番手まで順位を落とす。しかし、そこからファステストラップを記録するなど粘りのレースを見せ、一時はラップリーダーまで回復。多重クラッシュによる赤旗中断を経たリスタート時には5番手まで浮上する。
残り10周で3番手まで順位を上げた佐藤琢磨はさらなるチャンスを狙うが、前を走るアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポーツ)とシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)には届かず、3位でチェッカーを受けた。「本当にあの状況のなかで3位まで戻してくれたチームに感謝したいですね」と佐藤琢磨はコメント。「最初のピットストップの後に問題が起きて、ピットに戻らなければならなくて、その時点で31位でラップダウンになってしまって、そこから100周以上前を抜いてもずっと順位が変わらずにっていう状況だったんだけど、その中でもトラフィックのなかでの動きとか、スティントを通してのタイヤの状態とかっていうのは学べるので、もし最後トップ5で走れるような状況がきたらそれに備えようと思ってとにかく諦めずに頑張ってましたけど、チームもストラテジーを変えながら、一度トップアップしながら、燃料もセーブして、4~5周もストレッチしたのが効きましたよね。最終的にはそのストラテジーがあったから、レッドフラッグになる直前にピットストップを終えられたので、あそこは本当にチームの素晴らしい戦略だったと思うし、そこから最後のスティントは持てる力をすべて出し切りましたね」一回目のピットストップでの問題については「右リアがちょっとあやふやなままスタートしなければならなかったので、ちょっと怖いなと思ってて、ピットアウト直後の3コーナーでグラっときたんですよね。なので、その後ろにハンターレイも来てて、グラハムたちも来て、後ろに4台くらいいたのでその周にピットに入れなかったんですよ。で、もう1周しなければならなかったんだけど、大事をとってラップダウン覚悟で戻ったんだけど、タイヤ変えてからは良くなりました」と佐藤琢磨は説明。レッドフラッグ中に路面温度が47度まで上がり、最後はいいクルマが勝つ状況となった。佐藤琢磨はリスタートでエド・カーペンターを強引にオーバーテイクして、トップ3争いに食い込んだ。「もう行くしかないしょう! 最後だし、あそこまでいい形で最後のスティントというか最後の15周を6番手からリスタートできるというのはラップダウンんを考えれば夢のようなポジションだったので、もちろん、無茶はしなかったし、大事に行きたかったけど、それでも持てる力をすべて使って、ニューガーデン抜いて、エド・カーペンターに抜いて、3位まで上がったときは、できれば、アレックスもやっつけて、できればシモンもやっつけたいと思ったけど、無理でしたね。最後は素晴らしい速さだったから、本当に心からおめでとうと言いたいし、ペンスキーも素晴らしいスピードを示したし、ちょっと僕らはそういう意味では悔しかったけど、状況を考えれば3位まで戻してくれたチームにとにかく感謝したいですね」前方を走るアレクサンダー・ロッシとシモン・パジェノーの戦いに着いて佐藤琢磨は「見るんじゃなくて、本当は参加したかったんだけど、ちょっと届かなかったかな」とコメント。「やっぱり見てても、アレックスが前に出てもすぐ抜き返されちゃってたし、サイモンはちょっと飛びぬけてたから、僕もそこに入りたかったんだけど、もうツールも使い切っちゃってて、どうしようもなくて。あの気温になってクルマがすごいスライドするし、厳しかったと言えば、厳しかったけど、みんな同じ状況だったので、全力でいきましたけどね。最後は届かなかったですね」インディ500はダブルポイントが与えられ、3位入賞は今後のチャンピオンシップにとって重要なポイントとなる。「インディ500は本当に優勝しかないっていうレースだけど、シーズンのことを考えれば、今日の3位はダブルポイントで非常に大きいと思うので、全体を考えればこういうレースはシーズンを戦う上で大事だと思うので、今日は3位で悔しいけど、チームは素晴らしい仕事をしてくれたので、満足しています」
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