佐藤琢磨が、テストで走行したトロ・ロッソのF1マシン STR3の印象を語った。22日に都内でトークショーを開催した佐藤琢磨。F1の世界では機密事項を明かさないというのは基本中の基本。そのため、琢磨側もトロ・ロッソ側も最低限のスペックでのやり取りとなったという。特にフェラーリエンジンに関しては、チーム代表から「絶対にコメントしてくれるな。一切、触れては駄目」と釘を刺されたという。
「今回のトロ・ロッソをテストするにあたって、すべてのマニューファクチャー、チームをリスペクトしなければいけないので、直接比較はしない。僕もするべきではないと思うし、チームもそういう風に言ってきた。僕が契約した暁には事情聴取が始まるとは思うんだけど、基本、機密事項は明かさないというのは鉄則。今回のテストに関しても、僕は必要最低限のスペック聞いていない。具体的には数値では話さなかった。」そんな条件下ではあるが、ファンのために佐藤琢磨がトロロッソ STR3の印象を語ってくれた。「凄い速くて、ここ2年半くらい、わりとイージーなクルマというか・・・余裕だったんですけど、久し振りに喝を与えられた。バルセロナから帰っても体が凄い痛かった。」「クルマからやってくる情報量が違う。初めてF1マシンに乗ったような気分になった」「トロ・ロッソのクルマは、当たり前のように空力がしっかりと働いている。ダウンフォースとドラッグの効率が凄くいい。ストレートで速くて、なおかつクルマを路面に抑えつける力も強い」「しっかりとタイヤも発熱してきて、それを受け止めるサスペンションもしっかりしているから、クルマが横に滑らないで前に進む。その辺りが当たり前にできているクルマは、タイヤがしっかり働きだして、凄い運転しやすい。今まではそういうところが見えないで、目隠しされて運転していたようなものだから、それに比べたら全然違う」「高い速度で走って、コンペティティブなタイムを刻んでいる時でも、もちろん多少クルマがスライドするんだけど、それが凄い簡単に修正できる。限界点が見つけやすい。確かにあのクルマはあるフランス人ドライバーが文句いってたけど、確かにナーバスなのかなという一面はあるんだけど・・・“なに甘いこといってんだよ”と。めちゃくちゃスタビリティーがある。僕としては、最初のヘレスに行く前に“このクルマには乗れない”って言ってたから、どんだけ凄いんだろうと思って。で、乗ったら、すっごい路面に吸いついちゃって離れない。2年半、前の方で走れなかったけど、良い勉強させてもらったかな」「今まではバックミラーを見る癖があったんだけど、トロ・ロッソのクルマは、バックミラーが本当に見えない。レッドブルは変えたけど、トロ・ロッソは空力的なアドバンテージを考慮しているとは思うけど、あえて動かさない。ほとんど見えなかったし、見る必要がなかったね、今回のテストは。いっつも抜かれていることを気にしなければならなかったのに、今回は、走るために前に追いつくっていう。すっごい楽しかった。レースでも楽しくなれらないいなと思ってるんだけどね」
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