F1の中止となったロシアGPのプロモーターが、スポーツの商業権保持者を相手取り、英国高等法院で法的手続きを開始した。国営通信社タスによると、ソチでのレースを運営していた会社「ロスゴンキ」が、2022年分として前払いした開催料の返還を求めている。その額はおよそ5,000万ポンド(約99億円)に相当するとみられている。
F1は2022年初頭のロシアによるウクライナ侵攻を受け、ウラジーミル・プーチンの支援を受けたこのイベントを中止した。タスによれば、F1側はこの債務を認めているが、国際的な制裁のもとで資金が凍結されているため、返還されていないという。ロスゴンキのCEOであるイリーナ・アウレニウスは、交渉が決裂したことを認めた。「F1は誠意を持って債務を返済しようという行動を取っていない。このため、英国の司法制度を通じて資金を返還してもらうことを決定した」と彼女はタスに語った。「現段階では、請求の詳細や金額についてコメントする準備はできていない」またロスゴンキは、ソチから2023年以降サンクトペテルブルクの新会場に移転する予定だったレースを中止したことで、F1がスポーツを政治化していると非難している。