MotoGPで7度チャンピオンに輝いたバレンティーノ・ロッシは、2024年にBMWの有力チームとともにFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦する。とはいえ、ロッシの究極のスポーツカーレースへの野望であるハイパーカー・クラスへの参戦が叶うわけではない。ロッシは今後もGT3でレースを続ける。
ロッシは先週末、弟子のフランチェスコ・バニャイアが2度目のMotoGPタイトルを獲得し、ホンダに移籍したルカ・マリーニに代わってVR46チームを率いるライダーを最終決定したロッシは、2021年いっぱいでライダーとしてのMotoGPを引退した。スポーツカーでのキャリアに軸足を移したロッシは、GTワールドチャレンジ選手権を中心に活動し、WRTで2シーズンを過ごし、最初はアウディ、次にBMWをドライブしている。このキャンペーンでロッシは、長年BMWのワークスドライバーを務めてきたマキシム・マルタンとのコンビで臨んだミサノ・スプリント・ラウンドの第2レースでGTワールド・チャレンジ初優勝を飾り、フランスの伝説的サーキットで開催されたロード・トゥ・ル・マンの第2レースではジェローム・ポリキャンとともにクラス優勝を飾った。44歳の彼は、今月初めのWECルーキー・テストでWRTが運営するLMP2オレカをドライブした。しかし、LMP2がWECの1クラスでなくなり、LMGTEがLMGT3に取って代わられたことで、ロッシは慣れ親しんだBMW M4 GT3の46号車でキャンペーンを行うことになった。WRTの2台体制(つまり6人体制)のLMGT3には、もう1台のマシンにBMWのベテラン、アウグスト・ファルフスが乗ることが決定している。WRTは、アウディのスポーツカー参戦の代名詞としてロングランを続けてきたが、ハイパーカー・クラスではBMWの2台のLMDhも走らせる。ロッシのWEC参戦は、ハイパーカー・クラスに19台、LMGT3に18台を含む2024年の暫定エントリーリストが発表された中で発表された。LMGT3クラスにはほかに、ホセ・マリア・ロペス(トヨタのハイパーカー部門でニック・デ・フリースと交代したばかり)、フォース・インディアのF1テスターだったこともあるダニ・ジュンカデラ、フェラーリのF1シミュレータードライバーのダビデ・リゴン、元ロータスF1ジュニアのマルコ・ソレンセンらがすでに参戦を決めている。この19台のハイパーカーには、2023年のライバルであるトヨタ、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、プジョーのプログラムが含まれ、2024年にはBMWが2台、アルピーヌが2台、ランボルギーニが1台加わる。また、今年のWECに参戦したポルシェのプライベーターであるイオタとプロトン、そして2024年にTipo6-Cをデビューさせる独立チームのイソッタ・フラスキーニも参加している。トップクラスでの2シーズン目を望んでいたバイコレスが運営するヴァンウォール・レーシングのハイパーカー・エントリーはない。
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