F1シンガポールGPでのニコ・ロズベルグがリタイヤしたのは、異物混入して電子回路をショートさせたことが原因だった。ニコ・ロズベルグがF1シンガポールGPでリタイヤしたあと、メルセデスは故障したステアリング・コラム部品をブラックリーのファクトリーに空輸し、詳細な分析を行った。
徹底的な調査により、ハンドルの電子機器に、イベント前の点検手続き中に使用される詳細不明の異物が混入していたことがわかった。この物質の存在は、F1シンガポールGPの週末中は検出されず、レースのスタート少し前にニコ・ロズベルグがマシンに乗るまでは、問題の兆候は全くなかった。しかし、一旦問題が発生すると、断続的なショートにより、ニコ・ロズベルグはクラッチをコントロールしたり、エンジン設定を変更することができなくなった。それにより、特にピットストップではクラッチを使うことができなかったこともあり、ニコ・ロズベルグはレースをリタイヤせざるを得なかった。メルセデスは、2008年以来、同じステアリング・コラム設計と、イベント前に同じ点検手続きを続けており、これまで一度も問題が発生しなかったため、ニコ・ロズベルグの故障を巡る状況は不可解だった。しかし、メルセデスは、今後リスクを冒さず、今シーズン最後の5戦については全く新しいパーツを使うことを選んだ。メルセデスのモータースポーツ責任者トト・ヴォルフは、F1シンガポールGPのレース後、メルセデスが信頼性に関する取組みを強化しているにも関わらず、信頼性問題に苦しめられ続けるのは意外だと述べた。「我々はとても信頼性の高いチームだ」とトト・ヴォルフは述べた。「我々は、信頼性に懸命に取り組んでいる人間の集まりであり、彼らを本当に誇りに思う」「なので、このような問題が起き続けることは意外だ。これらの問題を理解する必要があるが、それには時間がかかる」