2026年F1第10戦ベルギーGP決勝は、スパ・フランコルシャンで44周にわたって争われ、ポールポジションからスタートしたキミ・アントネッリ(メルセデス)が今季6勝目を挙げた。レースはオープニングラップから波乱が相次ぎ、セーフティカーや2度のバーチャル・セーフティカー(VSC)が勝負の流れを大きく左右。それでもアントネッリは終盤にシャルル・ルクレール(フェラーリ)をコース上で攻略し、モナコGP以来となる勝利を飾った。
フェラーリは戦略面でアントネッリを逆転する場面を作り出したものの、最後はルクレールが2位、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が3位で表彰台を獲得。タイトル争いではアントネッリが再び主導権を握る結果となった。スタート直後から大波乱 ラッセルは1周目リタイアポールのアントネッリはまずまずのスタートを決めたものの、フェルスタッペンがオー・ルージュからケメルストレートで強烈なトウを利用してトップへ浮上。しかしアントネッリは冷静さを失わず、ストレートエンドまでに抜き返して首位を奪還し、レースの主導権を取り戻した。その背後ではさらに大きなドラマが待っていた。ストレートでフェラーリ勢に先行されたジョージ・ラッセルは、ターン6でルイス・ハミルトンのアウト側へ並びかけた際に接触。マシンはグラベルトラップに飛び出し、そのままレースを終えることになった。このアクシデントでセーフティカーが導入され、ハミルトンには5秒のタイムペナルティが科された。ラッセルはリタイア後、「ストレートで3台に抜かれてしまった。レーシングインシデントだったと思う。もっと外へ行けたかもしれないし、彼がもう少し早くブレーキを踏めたかもしれない。今は言葉がない」と無念さをにじませた。Here's Lewis' view of the contact with George on the opening lap #F1 #BelgianGP pic.twitter.com/ZticPlZfQH— Formula 1 (@F1) July 19, 2026 リスタート後は5台が優勝争いリスタート後もアントネッリは首位を守ったが、後続との差はなかなか広がらない。フェルスタッペン、ルクレール、ハミルトン、オスカー・ピアストリがわずか数秒以内に連なり、優勝争いは5台による接近戦となった。フェラーリ勢はレースペースで存在感を見せ、ルクレールはフェルスタッペンを攻略。ハミルトンもピアストリへプレッシャーをかけ続ける。一方でピアストリはルクレールとの接触でフロアにダメージを負い、「十分なスペースを残してくれなかった」と無線で不満を口にした。それでもアントネッリは安定したペースを維持し、周回を重ねるごとにフェルスタッペンとの差を少しずつ拡大。フェルスタッペンの背後ではルクレールとハミルトンによるフェラーリ勢のプレッシャーが続き、トップ4は互いをけん制しながらピット戦略のタイミングを探る展開となった。VSCでフェラーリ逆転 絶妙なダブルスタック成功レース中盤、デブリ回収のため最初のVSCが導入される。これを受けてフェラーリはルクレールとハミルトンを連続でピットへ呼び込むダブルスタックを敢行。通常より短いタイムロスでタイヤ交換を終えたルクレールは、アントネッリの前でコースへ復帰することに成功した。さらに2度目のVSCもフェラーリに味方し、アントネッリは首位を失うことになる。レース終盤へ向け、ルクレールがトップ、アントネッリが追う構図となり、勝負は完全に一騎打ちの様相を呈した。一方、ハミルトンはピット作業でフロントウイング調整が完了しないまま送り出される不運にも見舞われ、無線ではマシンバランスへの不満を訴えた。さらにアンセーフリリースについても審議対象となり、表彰台争いに向けて厳しい状況に追い込まれた。アントネッリが勝負を決める鮮やかな逆転劇首位を奪われてもアントネッリは焦らなかった。新品タイヤのアドバンテージを生かしながら毎周コンマ数秒ずつ差を縮め、ルクレールをDRS圏内へ捉える。ルクレールはギアシフトの違和感を訴えながらも懸命に首位を守り続けたが、残り11周、ケメルストレートエンドでアントネッリが満を持して仕掛ける。ブレーキング勝負を制したメルセデスが首位を奪還し、その瞬間、勝負の流れは完全にアントネッリへ傾いた。逆転後のアントネッリはファステストラップ級のペースで一気にリードを拡大。終盤にはトラックリミット警告を受けながらも冷静にレースをコントロールし、ルクレールの反撃を許さないままチェッカーフラッグへ向かった。Kimi leads again! Watch Antonelli make his move on Leclerc #F1 #BelgianGP pic.twitter.com/1336ckjAEL— Formula 1 (@F1) July 19, 2026 アントネッリは「数戦は難しいレースが続いたので、こうして優勝に戻って来られて本当にうれしい。厳しい戦いだった。VSCで一度首位を失ったけど、追い抜き返すことができたし、シャルルは本当に速かった」と、激戦を振り返った。ルクレールも最後まで勝利を諦めず、「最後まで勝てると信じていた。VSCは僕たちに味方したし、ペースも強力だった。マシンは確実に前進している」と、惜敗ながらもマシンの進歩に手応えを示した。3位のフェルスタッペンはスタート直後こそ首位を奪ったものの、その後はメルセデスとフェラーリのペースについていくことができず、終盤は表彰台を守るレースへ切り替えた。レース後、フェルスタッペンは「できることはすべてやった。僕たちはVSCで少し不運だったけど、この状況で表彰台なら良い結果だ」と受け止めた。ハジャーとノリスが追い上げを披露上位3台の激しい優勝争いの陰では、中団でも見応えあるバトルが繰り広げられた。30グリッド降格ペナルティを受けて最後尾からスタートしたハジャーは、ハードタイヤを生かした戦略が的中。VSCも味方につけながら着実に順位を上げ、終盤まで力強いペースを維持して6位入賞を果たした。一方、13番グリッドからスタートしたノリスも追い上げを開始。ボルトレト、コラピント、リンドブラッドを次々に攻略し、終盤にはファステストラップを記録しながらハジャーとの差を1秒台まで縮めた。しかし残り周回数が足りず、7位でチェッカーを受けた。ガブリエレ・ボルトレトは巧みな戦略で8位を確保し、アウディに貴重な4ポイントをもたらした。アービッド・リンドブラッドは自己最高位となる9位で入賞し、フランコ・コラピントも10位に入りポイントを獲得した。最後まで続いたポイント争い11位争いもチェッカーまで続き、ピエール・ガスリー、リアム・ローソン、ニコ・ヒュルケンベルグが僅差でポイント圏に届かなかった。ハース勢はオリバ...