2020年のF1世界選手権 最終戦(第17戦) F1アブダビGPのフリー走行1回目が12月11日(金)にヤス・マリーナ・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がトップタイムを記録した。新型コロナウイルスの世界的な大流行によって、7月から超過密スケジュールで行われてきた2020年のF1世界選手権もいよいよ最終戦。中東3連戦の最後となるF1アブダビGPはヤス・マリーナ・サーキットで開催される。
太陽の下でスタートし、日没をはさんでナイトレースへと移行するグランプリであり、日没の暗さを避けるため、人工照明はスタート時から点灯される。すでにドライバーズ選手権ではルイス・ハミルトン、コンストラクターズ選手権ではメルセデスが1位、レッドブル・ホンダが2位を確定されているが、それ以外はまだ流動的な状況。ドライバーズ選手権2位、コンストラクターズ選手権3位という残りの最上位をかけた戦いが繰り広げられる。ピレリは、ヤス・マリーナ・サーキットにC3(ハード)、C4(ミディアム)、C5(ソフト)と最も柔らかいコンパウンドを持ち込んでいる。決勝ではハードとミディアムのいずれか1セットを使う必要があり、ソフトは予選Q3のタイヤとして1セット残される。現地時間13時。気温25.6度、路面温度38.4度の温暖なコンディションで90分のセッションはスタート。決勝・予選は現地時間17時と陽が落ちることに行われるため、日中に行われるFP1とFP3はあまり役に立たないセッションだと考えられている。最終戦ということで、移籍が決定しているドライバーらにとっては現所属チームにとっては最後のレースとなる。フェラーリのセバスチャン・ベッテルはアストンマーティン、マクラーレンのカルロス・サインツはフェラーリ、ルノーのダニエル・リカルドはマクラーレンへの移籍が決定している。また、ケビン・マグヌッセン(ハース)、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)、ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)、セルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)は来季のF1シートが決定していないなかで最終戦を迎えることになった。また、今大会では新型コロナウイルス感染によって前戦F1サヒールGPを欠場していた王者ルイス・ハミルトンが復帰。インスタレーションラップを走行したが、その後ガレージで作業。前戦では14cmも身長が高いジョージ・ラッセルに合わせてペダル類を設置していたらめ、ハミルトン用に設置し直した際にトラブルが発生した可能性がある。ハースF1はケビン・マグヌッセンに代えてFP1でミック・シューマッハを起用。F2でチャンピオンを獲得したシューマッハは、2021年にハースF1でのF1デビューが決定しており、今回のFP1がグランプリ週末でのデビューとなった。アルファロメオはキミ・ライコネンに代えてリザーブドライバーのロバート・クビサを起用している。開始から20分が経過した頃、ダニエル・リカルド(ルノー)が駆動系と思われるトラブルでターン10付近でストップ。バーチャルセーフティカーが導入される。ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)もスローダウンを命じられたが、その後、再びアタックラップを行っており、大きな問題ではないようだ。45分が経過した段階でタイムシートのトップに立ったのはバルテリ・ボッタス(メルセデス)で1分37秒412。2番手には1.165秒差でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、3番手にはセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)がトップから1.544秒差で続いている。ここで整備が終了したルイス・ハミルトンが再びコースインして走行を再開する。フェラーリは1時間が経過した段階でもマシンに計測器を付けて走行。今シーズンだけでなく、来シーズンにむけてのテストも実施しているようだ。アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)が豪快にスピンを喫する場面も。元々、リアが安定しないマシンではあるが、最終戦になってもまだドライビングをマシンに適応させることができていなことが見て取れるスピンだった。フリー走行1回目のトップタイムを記録したのはレッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペン。26周を走行したフェルスタッペンは、セッション後半に1分37秒378をマークした。チームメイトのアレクサンダー・アルボンは1.169秒差の4番手だった。2番手タイムはメルセデスのバルテリ・ボッタス。フェルスタッペンとの差は0.034秒だが、セッション序盤に出したタイムであり、後半に路面がクリーンになってから出したフェルスタッペンの方がコンディション的には有利だったと考えられ、それを差し引けばメルセデスが一歩リードしているかもしれない。復帰戦となったチームメイトのルイス・ハミルトンは5番手。セッション序盤はマシン調整に充てたハミルトンはハードタイヤのみで走行。それでもトップからは1.366秒差。前述のとおり、FP1とFP3はあまり有益ではないため、マシンの感触を取り戻すためのセッションだった印象だ。上記の2強チームに割って入って3番手タイムを記録したのはルノーのエステバン・オコン。前戦F1サヒールGPでF1初表彰台を獲得したオコンは34周を走行してトップから1.137秒となる1分37秒515をマーク。チームメイトのダニール・リカルドがマシントラブルで走行できなかったため、プログラムを一人でこなした。その後ろには6・7番手にレーシング・ポイント、8・9番手にアルファタウリ・ホンダ勢が続いた。8番手のダニール・クビアトと9番手のピエール・ガスリーはミディアムタイヤでタイムを出している。グランプリ週末デビューとなったミック・シューマッハは、チームメイトで前戦F1サヒールGPからロマン・グロージャンの代役として参戦しているピエトロ・フィッティパルディを上回るタイム。しかし、フィッティパルディはただ一人1分44秒台と極端に遅く、何かマシンにトラブルを抱えていた可能性がある。F1アブダビGP フリー走行2回目はこの後22時(現地時間17時)から行われる。2020年 第17戦 F1アブダビGP フリー走行1回目 結果・タイム 順位NoドライバーチームベストタイムGAP周回133マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダ1分37秒378 26277バルテリ・ボッタスメルセデス1分37秒4120.03432331エステバン・オコンルノー1分37秒5151.13734423アレクサンダー・アルボンレッドブル・ホンダ1分37秒5471.16925544ルイス・ハミルトンメルセデス1分37秒7441.36624618ランス・ストロールレーシングポイント1分37秒8311.45325711セルジオ・ペレスレーシングポイント1分37秒9561.57826826ダニール・クビアトア...