レッドブルF1の黄金時代を支えたヘルムート・マルコの功績について、長年チームに密着してきたジャーナリストが改めてその重要性を語った。近年はクリスチャン・ホーナーとの対立が注目を集めたマルコだが、実際にはチーム創設からドライバー育成まで数々の重要な決断を主導し、現在のレッドブルF1の礎を築いた人物だったという。
チーム創設から黄金時代まで支えた存在2025年限りでレッドブルF1を退いたヘルムート・マルコは、引退後のインタビューでクリスチャン・ホーナーとの確執について率直に語り、大きな話題となった。しかし、レッドブルF1に長年密着し、その経験を著書『Inside Red Bull Racing: A Season with F1's Most Thrilling Team』にまとめたジャーナリストのマット・マジェンディ氏は、『Road To Success』ポッドキャストで、マルコの本当の功績はそれ以上に大きいと強調した。「ヘルムートについて見落とされがちなのは、フェルスタッペン陣営に近い存在というだけではなく、このチームの歴史そのものに極めて大きな役割を果たしてきたことだ」ジャガー買収からホーナー抜擢まで主導マジェンディ氏によると、マルコは共同創業者ディートリッヒ・マテシッツの親友であり、現在のレッドブルF1誕生にも大きく関わっていたという。「彼はディートリッヒ・マテシッツの親友だった。そして、マテシッツにジャガーF1チームの買収を決断させたのも彼だった」さらに、ファクトリーの再整備を推進しただけでなく、30代前半だったクリスチャン・ホーナーを初代チーム代表に起用するよう後押ししたことも明かした。「ファクトリーの再整備を推し進めたのもマルコだった。そして驚くべきことに、30代前半だったクリスチャン・ホーナーをチーム代表に起用するよう後押ししたのも彼だった。当時はかなり大胆な人事だと受け止められていた」レッドブル育成プログラムの中心人物マルコはドライバー育成でも欠かせない存在だった。「彼はアカデミーの責任者でもあり、その分野でも極めて重要な役割を担っていた」レッドブル育成プログラムは、セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンをはじめ、多くのトップドライバーをF1へ送り出してきた。マルコはその責任者として長年にわたり才能の発掘と育成を担い、チームの競争力を支え続けた。マテシッツ死去で権力構図が変化マジェンディ氏は、マルコとホーナーの関係が悪化した背景についても言及した。「すべてが崩れ始めた理由は、マテシッツが亡くなったことで権力の空白が生まれたことだった」「その結果として主導権争いが起き、その後の展開は誰もが見た通りだ。今では体制は落ち着いたが、多くの人材がチームを去る結果となった」「彼らは長年にわたって素晴らしい成果を築き上げた。それだけに、最後が対立という形で終わってしまったのは残念だった」率直な人柄も高く評価マジェンディ氏は、マルコの人柄についても印象を語っている。「見た目は厳しく、まるで映画の悪役のような雰囲気もある。ドライバーを容赦なく切る場面もあった」「それでも実際にはユーモアのある人物で、いつも冗談や皮肉を交えながら話していた」「私が取材してきたスポーツ界でも、これほど広報に縛られず、自分の考えを率直に話す人物はほとんどいなかった。それはジャーナリストとして非常に新鮮だった」ホーナーとの確執ばかりが注目されがちなヘルムート・マルコだが、ジャガー買収の実現、ファクトリー整備、ホーナーの抜擢、そしてドライバー育成プログラムの構築まで、その功績は現在のレッドブルF1の成功を語るうえで欠かせないものだったことを、元密着記者は改めて強調している。