メルセデスF1のジュニア育成プログラム責任者を長年務めてきたグウェン・ラグリューが、レッドブルF1へ移籍する見通しであることが報じられた。正式発表の時期は明らかになっておらず、メルセデス、レッドブルの両チームも現時点では報道を認めていない。しかし実現すれば、F1パドック屈指の若手育成責任者の移籍となり、レッドブルの育成体制に大きな変化をもたらす可能性がある。
メルセデス黄金世代を育てた立役者複数の海外メディアによると、グウェン・ラグリューは2016年から率いてきたメルセデスのジュニアプログラムを離れ、レッドブルで同様の役割を担う方向で調整が進められているという。ラグリューは若手発掘の手腕で高い評価を受けており、2017年初頭にはジョージ・ラッセルをメルセデス育成プログラムへ迎え入れた。ラッセルはFIA F2王者を経て2019年にウィリアムズからF1デビューを果たし、2022年にはメルセデスのレギュラードライバーへ昇格した。さらに、その慧眼を最も象徴する存在がキミ・アントネッリだ。メルセデスはアントネッリが11歳でカートを戦っていた頃から契約を結び、一貫した育成を経て2025年にF1デビューへ導いた。2026年シーズンのアントネッリは開幕10戦で6勝を挙げ、ドライバーズランキング首位を快走。ラグリューの育成哲学が大きな成果を生んでいる。ヴォルフ代表「まだ何も決まっていない」ベルギーGP週末、メルセデス代表のトト・ヴォルフはラグリューの去就について質問を受けたが、移籍を認めることは避けた。「グウェンとは将来について話し合っているが、まだ何も合意も決定もしていない」一方で、ラグリューが築き上げた育成組織を高く評価した。「グウェンは素晴らしいチームを作り上げてくれた。現在は7~9人ほどのスタッフでジュニアプログラムを運営している」「ブラッドリー(ロード)が副代表へ昇格したこともあり、組織体制を整理する必要がある。私たちはグウェンと協力しながら進めていきたい」レッドブル育成改革の切り札となるかレッドブルのジュニアプログラムは、ヘルムート・マルコの下でセバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンら世界王者やグランプリウイナーを輩出してきた。しかし近年は、かつてほど継続的にトップドライバーを送り出せていないとの見方もある。ラグリューの加入が実現すれば、レッドブルが若手育成システムの再構築へ本格的に乗り出す意思表示となる可能性が高い。育成部門の強化は将来のF1勢力図を左右する重要な投資であり、その動向に注目が集まっている。