レッドブルのレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼが、2028年からマクラーレンへ移籍する決断の裏側に、新たな動きがあった可能性が浮上した。報道によれば、マクラーレン側に明確な関心が生まれる以前から、ランビアーゼ自身はレッドブル離脱を視野に入れていたとされている。
この移籍は突然のように受け止められたが、近年のレッドブルの組織変化や主要人材の流出を踏まえれば、その兆候はすでに存在していたとも言える。内部の安定性に揺らぎが見え始める中で、ランビアーゼの動きはより戦略的なものだった可能性がある。“市場に出る”ためのリーク戦略ブラジルの報道番組で語られた内容によると、マクラーレンは当初、ランビアーゼ獲得に向けた具体的な動きを見せていなかったという。つまり、彼の「市場価値」は自然に発生したものではなく、自ら動いて作り出した側面があると見られている。「マクラーレンからは何も聞かなかった。彼がレッドブルを離れたがっているのは明らかだった。アストンマーティンとの関連が報じられたのも、彼自身が誰かに依頼して情報を出した可能性がある。そうすることで、自分の名前を市場に出そうとしたのだろう」このような動きは、F1の人材市場では珍しいものではない。特にトップレベルのエンジニアにおいては、複数チームの関心を引き出すことで条件交渉を有利に進めるケースが存在する。マクラーレン再結集が決め手かランビアーゼの決断には、人間関係も大きく影響していた可能性がある。マクラーレンにはすでにロブ・マーシャルやウィル・コートニーといった旧知のメンバーが在籍しており、過去に同じ環境で働いた人材が揃いつつある。「ロブ・マーシャルもウィル・コートニーもマクラーレンにいる。彼の周囲にいた人間が集まっていることが、移籍の魅力になったのだろう」さらに、現時点でのチーム文化においても、マクラーレンの方が従業員にとって魅力的な環境であるとの見方も示されている。レッドブル内部の変化と人材流出今回の件は単独の事象ではなく、レッドブル内部で進行している変化の一部として捉えられている。業界内では、創業者ディートリッヒ・マテシッツの死去以降、組織の求心力に変化が生じたとの見方がある。「彼がいなくなれば、いずれすべてが変わると言われていた。実際に権力争いが始まり、チーム内で方向性に同意しない人々が去っていった」近年の一連の離脱は偶発的なものではなく、組織の構造的変化の結果と見る声もある。一方で、これを単純にネガティブな要因と結びつけるのは適切ではなく、個々のキャリア選択として新たな挑戦を選んだ側面も大きい。ランビアーゼの動きは、その象徴的な一例と言える。レッドブルの黄金期を支えた人材が、新たな環境へと向かう流れは今後も続く可能性があり、チームの将来像に影響を与える要素となりそうだ。Source: F1 OVERSTEER