2025年F1シーズン開幕直後、わずか2戦でリアム・ローソンをレッドブルのシートから外すという衝撃の決断が下された。その背景について、元レッドブル代表クリスチャン・ホーナーが新たな証言を明かした。ホーナーは、自身の解任後に収録されたドキュメンタリー番組内で、ローソン降格は自身の判断ではなかったと主張。長年チームを率いてきた指揮官が、人事の実権を巡る内部事情を語っている。
ローソンは2025年開幕戦オーストラリアGPと第2戦中国GPでQ1敗退を喫し、ポイントも獲得できなかった。その結果、日本GPを前に角田裕毅と交代。チームは当時「24歳の彼に対するケアの義務」と説明し、自信を喪失していたことを理由に挙げた。しかし、ローソン自身はその見方を一貫して否定してきた。冷酷とも受け取られた決断は、ホーナー体制下の厳しい競争文化の象徴とも言われていたが、本人はこれを否定する。「それは私の選択ではなかった」とホーナーは語った。ホーナーは2025年イギリスGP後に代表職を解任され、約20年にわたる体制に終止符を打った。番組内で彼は、若手育成プログラム出身ドライバーの起用を常に強く求められていたと明かしている。「私は常にヤングドライバープログラムから選ぶよう強く求められていた」とホーナーは述べた。さらに、その方針を主導していた人物としてヘルムート・マルコの存在を示唆した。「ヘルムートが大きな推進役だった」マルコは約20年にわたりレッドブルの育成部門を統括し、18人ものドライバーをF1へ送り出してきた。だが、チームはマックス・フェルスタッペンを中心に構築されており、その特異なマシン特性に適応できず、ピエール・ガスリーやアレクサンダー・アルボンらは苦戦を強いられた。例外はセルジオ・ペレスだった。経験豊富なペレスは4年間フェルスタッペンのチームメイトを務めたが、その後ローソンと交代する形でシートを失っている。ホーナーの証言は、レッドブルF1の人事決定が単純なパフォーマンス評価だけではなく、育成方針や内部権力構造と密接に結びついていた可能性を示唆している。わずか2戦での降格という“非情な決断”の裏側には、チーム内の力学が複雑に絡み合っていたようだ。