レッドブルは、サンパウロGPでマックス・フェルスタッペンに新しいエンジンを投入した判断について、「正当であり、防御可能だ」と主張している。ブラジル予選でまさかのQ1敗退を喫したフェルスタッペンはピットレーンスタートを選択し、その際にセットアップ変更とともにパワーユニットを新調した。この判断に対し、マクラーレン側はコストキャップへの影響を疑問視。今季は追加エンジンの投入がコスト面・ペナルティ面で敬遠されてきた背景があり、タイトル争いの渦中での交換に注目が集まっている。
マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、エンジン交換が財務規定にどのように処理されるかを注視すると語った。マクラーレンの疑問ステラはレース後、こう述べた。「この手のパワーユニット変更は、規則を試す行為だと言える。性能のために交換したのであれば、当然コストキャップに計上されるべきだ。そこがどう扱われるのか知りたいところだ」ステラはまた、マクラーレンが同様の判断を避ける理由についても触れた。「我々が同じことをしない理由の一つは、財務規則上の扱いが避けられないからだ。だからこそ慎重になる」新しいパワーユニットは小幅ながら性能向上をもたらす可能性があり、フェルスタッペンの残り3戦での逆転タイトル挑戦を後押しする可能性がある。現在フェルスタッペンは、首位ランド・ノリスから49ポイント差を追っている。レッドブルは「防御可能」と主張ラスベガスGPの木曜日、レッドブルのチーフエンジニアであるポール・モナハンは、他チームが問題提起したことに驚きはないとしつつ、自チームの行動は揺るぎない正当性があると語った。モナハンは次のように述べた。「誰かが手榴弾を投げ込んでくるようなものだ。逆の立場なら我々も同じことができる。今回の判断は防御可能であり、正当なものだ。2022年以降でも、他チームがエンジン交換を行っている。何も特別ではない」さらに、財務規則上の扱いについて問われたモナハンは明言を避けつつ、次のように続けた。「私は財務規則の専門家ではないので細部には触れない。ただ、我々の行動は説明可能であり、年末に何らかの罰則を受けるような状況にはならないと信じている。どう扱うかを推測して誤解を招くわけにはいかないので、このあたりで勘弁してほしい」コストキャップ下で揺れる“パワーユニット交換”の線引き今回の件は、2025年の厳格なコストキャップ環境において、パワーユニット交換がどこまで「戦略」として許されるのかという、より根深いテーマを浮かび上がらせている。マクラーレンは「性能目的ならコストキャップに算入すべき」と主張し、レッドブルは「正当かつ防御可能」と応じる構図。財務規則の解釈がタイトル争いに間接的影響を及ぼしかねないという点で、この議論は今後さらに注目を集めそうだ。