F1は夏休みを終え、再びオランダのザントフォールト・サーキットに戻ってくる。だが工場の閉鎖義務があったため、大規模なアップデートが導入される可能性は低い。そのうえで、この北ホラント州の砂丘地帯にあるサーキットの特性も考慮され、今週末のマシンはこれまでの2つのレースから得たセッティングが再利用される可能性が高い。参照すべきはオーストリアGPとハンガリーGPだ。前者はミドル〜ハイダウンフォースレベルが特徴であり、後者はハイダウンフォースレベルが特徴だ。
したがって、ザントフォールト用のセッティングはその2つを組み合わせたものになる見込みだ。特にフェラーリは、この2つの構成を組み合わせた特別なセッティングを適用すると伝えられている。それはウイングによるダウンフォース生成に依存するのではなく、車両全体のダイナミックバランスを精密に整えることを目的としており、ザントフォールトの特定の区間、つまりSF-25のパフォーマンスを発揮するうえで重要とされる部分に重点を置く。こうした車両ダイナミクス重視の姿勢は、ハンガリーGPでの結果の延長線上にあると結論づけられるだろう。すなわち、ブダペストの最終スティントでタイヤ空気圧を上げた際、新しいリアサスペンションをベルギーGPから導入していたにもかかわらず、レース全体を通して「プランク(車体下の板)」の摩耗を制御する適切なセットアップが選択されていなかったことが浮き彫りになったのだ。その週末の出来事については徹底的な分析が行われたとされる。ザントフォールトでは、導入したサスペンションの効果がダイナミクス面で打ち消されることのないよう、的確な対策が講じられるはずだ。一方、レッドブルもハンガリーでは精彩を欠いた。その原因はもちろんフェラーリとは異なるものの、RB21のバランスに悩まされたという点では共通していた。そこでミルトンキーンズのチームは、オランダGPに向けて空力荷重の分布に関連する小規模なアップデートを導入する予定だ。その狙いは、直近のレースで見られたアンダーステアを軽減し、ザントフォールトのタイトなレイアウトでマシンをより機敏にすることにある。
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