レッドブル・レーシングは、2025年のF1世界選手権第13戦ベルギーGPに向けて、RB21に今季最大級のアップグレードを施した。今回の変更は、来季マシン開発への完全移行前に行われる最後の大規模アップデートのひとつと見られている。今回のアップグレードは、直近のフロア改良に続くもので、複数の重要エリアに渡っている。対象となったのは、フロントウイング、サイドポッドのインレット、エンジンカバーなどだ。
フロントウイング第1および第2エレメントのキャンバーと迎角(インシデンス)が変更され、それに伴い他のフラップもボディワーク規定に適合するよう調整された。これにより、最初の2つのエレメントにおける圧力分布を見直し、ダウンフォースの増加を狙っている。サイドポッドインレットエンジン冷却が重要となるサーキットへの対応として、従来2つに分かれていたインレットを1つに統合。さらに上部開口部を拡大している。エンジンカバーサイドポッドインレットの変更に伴い、トップボディワークの分割ラインが変わったため、エンジンカバーも空力的に整合させて再設計された。これにより、フロアへの空気の流れとの連携が強化されている。加えて、リアサスペンションのシュラウド(覆い)も新たなボディ形状に適応するように変更された。フロントサスペンションインボード側のフェアリングにキャンバーが追加され、新型サイドポッドインレットに必要な圧力供給を助ける設計となっている。ブレーキダクトボディワークリアホイール周辺のロアカスケード(下層の空力構造)にわずかな変更が加えられた。より大きなキャンバーが付与され、エンドプレートにはトレーリングエッジのトリムが施されており、追加のダウンフォース生成が狙いとされている。ちなみに、F1ベルギーGPでこのアップグレードが投入されるのはマックス・フェルスタッペンのみ。角田裕毅は、本人曰く「2ステップ遅れたパッケージ」を走らせる。
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