F1界では現在、レッドブルがマックス・フェルスタッペン陣営から「ホーナーを切るか、マックスが去るか」という“最後通告”を突きつけられていたとの噂が広まりつつある。クリスチャン・ホーナーは水曜にレッドブルのチーム代表職を解任され、この突然の人事はF1界に衝撃を与えた。彼は前日の火曜にその決定を通達されたとされている。
ホーナー解任の正確な理由について、チームからの公式説明はなく、その背景は憶測の域を出ない。しかしこの決断は、レッドブルの成績低下が続く中で、1年以上前に持ち上がった性的ハラスメントおよび支配的な言動に関する疑惑(本人は不正行為なしと判断されていた)を巡る騒動とも時期的に重なっている。英BBCスポーツは、水曜にパドック内で流れていた「最大の噂」として、フェルスタッペン陣営からの“最後通告”があった可能性を報じている。曰く「ホーナーが去るか、マックスが去るか」という二択をレッドブルに迫ったというのだ。フェルスタッペンの父ヨスは、ホーナーと対立関係にあったことで知られており、昨年には「このスキャンダルがチームを分断している」と警鐘を鳴らしていた。実際、レッドブルはその後、空力設計の要エイドリアン・ニューウェイやスポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリーといった重要人物を次々と失っている。BBCのF1特派員アンドリュー・ベンソンはこう述べている。「現時点で噂の真偽は分からない。レッドブルは公の理由を示しておらず、今後も語らない可能性が高い。だが、フェルスタッペンは繰り返し『落ち着いた環境でレースがしたい』と述べてきた。その点で、レッドブルは少なくとも過去18カ月以上、まったくその理想からかけ離れていた」「最終的にはこういうことだ。成績は下降線をたどっていた。成功の鍵を握る上級幹部たちは去った。いくつもの判断ミスが重なった。ブランドの評判を脅かす問題も未解決のままだ。そして、チームの最重要資産(フェルスタッペン)に関する不確実性があった」「そういう状況であれば、どんな企業のCEOの将来も危うくなる。最終的に、レッドブルはホーナーを続投させる理由を失ったのだろう」フェルスタッペンの将来は今やF1界最大級の話題のひとつであり、彼が2026年以降にメルセデスもしくはアストンマーティンへ移籍する可能性が報じられている。中でもメルセデスとの関連性は最近一気に高まり、タイトル争いから脱落しつつある現状を受け、フェルスタッペンが「銀の矢」への衝撃的な移籍を視野に入れているとの情報もある。フェルスタッペン本人は去就について明言を避けているが、ホーナーは在任中、「マックスは2026年以降もチームに残ると確信している」と主張し、噂を「雑音」に過ぎないと一蹴していた。しかしそのホーナーは、雨に翻弄されたイギリスGPでフェルスタッペンが5位に終わった数日後、突然チームから解任されることとなった。かつてはホーナーを支えていたレッドブルの筆頭株主チャレーム・ユーヴィッディヤが、今回の解任劇ではその支援を撤回したとされており、それが決定打となった可能性もある。