F1 CEOのステファノ・ドメニカリは、レッドブル・レーシングのRB19のプレゼンテーションでフォードのF1復帰が発表された際にステージに登場する予定だったが、ステージへの登壇を取りやめて物議を醸した。ニューヨークで開催されたレッドブル・レーシングのRB19の新車発表会にはステファノ・ドメニカリも会場に足を運んでいた。
プレゼンターのマーティ・スミスとジゼル・ザルールは、クリスチャン・ホーナー、フォードCEOのジム・ファーリー、マックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレス、ダニエル・リカルドとともにステファノ・ドメニカリの名前を呼んだが、F1 CEOの姿はどこにもなく、ステージ上でぎこちない瞬間となった。当初、ステファノ・ドメニカリは自分の名前が呼ばれたときに体調を崩しただけだという噂が流れた。マックス・フェルスタッペンは、観客のなかにステファノ・ドメニカリの姿を見つけていた。ステファノ・ドメニカリがニューヨークのイベントに赴いたのは、フォードが2026年からレッドブルのパートナーとしてF1復帰することが発表されたためだ。だが、ステファノ・ドメニカリは、このイベントがあまりにもレッドブル一色であることに驚いていたようで、特にフェラーリやメルセデスのようなライバルに間違って解釈される可能性があるため、彼は登壇が不適切であることに気付いた。実際、他チームの新車のローンチイベントに、ドメニカリが参加したことはない。とはいえ、大きな話題は2023年のレッドブル・レーシングの“新車”よりも、フォードが久々にF1への復帰を決めたことだったのは間違いない。実際、FIAは「レッドブル・フォード」が2026年のグリッドに並ぶ6つのエンジンメーカー(アルピーヌ、アウディ、フェラーリ、メルセデス、ホンダ)のうちの1つであることを迅速かつ個別に発表している。そして、ニューヨークのステージで公開された「新型」マシンRB19は、フォルムもカラーリングも酷似しており、その後の見出しは、フォードをテーマにしたもの一色だった。「今日展示されたクルマは、バーレーンで見ると明らかに少し違っているだろう」とクリスチャン・ホーナーは認めた。「今日目にしたものは、数週間後にバーレーンのコースで走るものを完全に反映したものではないことは明らかだ」「今日は、これからの1年に向けてのチームの抱負やパートナー、そして、もちろんフォードとの提携というエキサイティングな発表を行うためのものだった。ここアメリカ、この市場でそれを行うのは、明らかにレッドブル・レーシングにとって初めてのことだ」レッドブルは、ポルシェや既存のテクニカルパートナーであるホンダといった選択肢の中からフォードとの提携を選んだようだが、それは完全な独立性を保つことに重きを置いているからだ。ホンダは内燃エンジンとハイブリッド技術の両方の要素を持つフルエンジンメーカーとして機能したい意向を示しており、ポルシェはチームを買収することを望んでいた。一方、フォードは、2026年の全く新しいF1レギュレーションの電気面だけでなく、主に資金面でも貢献することになる。フォード・パフォーマンス・ディレクターのマーク・ラッシュブルックは、「過去のようにチームを所有し、完全なファクトリーチームとして戻ることはしっくりこなかった」と語った。「ライバルの自動車メーカーではないレッドブル・パワートレインズのような会社と提携するのは間違いなく正しいことだ」とラッシュブルックは語る。「他の自動車メーカーとパワーユニットで組むのは、正しいとは思えないし、適切でもなかった」F1ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペンは、レッドブルのエンジンの一部がフォードになる将来について安心感を抱いているという。ホンダがF1から撤退した2022年3月、マックス・フェルスタッペンはF1史上最長の契約であると理解されている2028年末までの5年間の契約延長にサインしてF1パドックを驚かせた。「以前はエンジンがどうなるかわからないまま契約した」とマックス・フェルスタッペンは語った。「みんなはクレイジーだと言ったけど、僕は関係者がチームのために正しい決断を下すと信じていた」
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