レッドブル・レーシングのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、2022年F1第10戦イギリスグランプリの予選を振り返った。ウェットと乾きかけのコンディションが混在したシルバーストン・サーキットでキャリア初ポールポジションを獲得したカルロス・サインツ(フェラーリ)に次いで、マックス・フェルスタッペンはイギリスGP決勝のフロントローに並んだ。
セルジオ・ペレスは路面状況が好転しつつある中で最後のフライングラップを上手くまとめ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)の後ろ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の前となる4番グリッドから決勝スタートを迎える。予測の難しいコンディションの中で行われたトリッキーなQ1・Q2を見事にコントロールしていたマックス・フェルスタッペンはQ3最終盤でもトップタイムを奪うことが確実視されていたが、マックスの前方でのルクレールのスピンによってセクター2で減速を強いられ、最後のフライングラップを妥協させられた。これでチャンスを得たサインツがミスのないラップをまとめてポールを奪取した。「非常にトリッキーなコンディションの中、両ドライバーが良い予選を戦ってくれた。イエローフラッグのちょっとした不運があり、マックスは0.3~0.4秒ほど失ってしまったが、彼がフロントロー、チェコがセカンドローに並べたので満足している。このような展開の中で良い位置につけられた」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「明日が完全なドライなら、戦略とタイヤデグラデーションが重要なカギを握るだろう。今シーズンの我々のマシンは前走マシンにさらに接近できるようになっているが、これがベケッツでかなり重要になるだろう。しかし、英国の夏らしい気まぐれな天候が明日も続くようなら、状況は瞬く間に変化する可能性がある」「フェラーリに戦いを挑めることを願っている。今日はカルロス(サインツ)を祝福したい。彼はレッドブル・ジュニアチーム時代からウェットで目覚ましい走りを見せていた。素晴らしい仕事した彼はポールポジションに値する」2番グリッドを獲得したマックス・フェルスタッペンは「良い予選だった。マシンは快適だった」とコメント。「言うまでもなく、コース上は滑りやすかった。Q3のあの360°スピンは新しいタイヤウォームアップのテクニックだよ(笑)。ともかく、僕たちは全体的に良い仕事ができたと思うし、素晴らしいレースマシンが手にできている」「Q3は、ウェットコンディションのときはひときわ運が左右するようになる。イエローフラッグが出てしまい、最後のラップでタイムを更新できなかった。あれでポールポジションを失ってしまった」「見て分かる通り、トップグループは非常に僅差で、フェラーリ勢はとても強力だ。明日は接近したバトルになると思うけど、僕たちがフェラーリよりも前でフィニッシュできることを願っている。ウェットでもドライでもマシンは好調なので、明日のレースでも好調なら勝てる可能性は十分にあるはずだ」4番グリッドを獲得したセルジオ・ペレスは「変わりやすいコンディションの中で良い結果が得られた」とコメント。「当然、もっと上のポジションを狙っていたし、完全に満足しているわけではないけれど、この位置からでも戦えるので、明日のレースが楽しみだ」「理想的なリザルトではないけれど、大して落胆していない。なぜなら、Q3終盤はストロールが僕のすぐ目の前にいて、最後の2周はベストが出せなかったからね。ストロールに抑え込まれていなければ、もう少し良いタイムが出せていたと思う」「金曜日に悩まされた問題は解決したし、レースでの競争力はかなり高くなるはずだ。明日のレースではトップグループに留まり、強力なペースを得ることが重要になる。これができれば状況は大きく変わってくるだろう。良い進歩を遂げてきているので、フェラーリ勢を苦しめられる手応えが得られることを願っている。タフな争いになるけれど、僕たちはハードに戦う」2022 イギリスグランプリ 予選Q1Q1開始を前に雨雲がシルバーストン周辺に流れ込み、強風が吹きつける中で雨が降り始めた。Q1序盤ではコンディションの悪化が見込まれていたため、ピットレーン出口にはインターミディエイトタイヤを履いたマシン群が行列を作った。ルクレールは1分43秒028をマークして早速タイムシートのトップに躍り出た。ハミルトンはルクレールに0.9秒遅れとなる2番手につけるが、その後1分42秒814を叩き出したマックスが首位に浮上。8分が経過してコンディションが快方へ向かうと、ルクレールが1分42秒129でトップを奪い返す。3番手にはサインツがつけ、チェコは1分43秒803でポジションを上げる。チェコはすぐさま1分42秒795まで更新し、マックスに0.19秒差をつけて2番手に浮上する。Q1が残り7分近くになると、マックスは自己ベストを2秒以上短縮して1分40秒452をマーク。ルクレールがマックスに0.3秒遅れの2番手につけ、3番手サインツ、4番手チェコと続く。Q1が大詰めを迎えると、ルクレールが1分39秒846でトップに立つが、その後方ではマックスがアタックに入っており、ルクレールのタイムを0.7秒上回る1分39秒129で再びトップに返り咲く。3番手にはサインツとハミルトンを上回ったジョージ・ラッセル(メルセデス)がつけ、チェコは6番手となる1分40秒521でQ1通過を決めた。Q1では、16番手アレックス・アルボン(ウィリアムズ)以下、ケビン・マグヌッセン(ハース)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)、ミック・シューマッハー(ハース)、そしてランス・ストロール(アストンマーティン)が敗退した。Q2Q1でレーストラックのコンディションが向上していたが、Q2は弱い雨が降る中でスタートした。引き続き各車はインターミディエイトでコースインし、マックスが最初のフライングラップでトップに立つ。マックスがマークした1分41秒486は2番手チェコから1秒も速かった。その後すぐに1分41秒821をマークしたランド・ノリス(マクラーレン)がチェコから2番手の座を奪う。セッションが進むごとに雨脚は強まっていったが、マックスはさらにタイムを更新し、1分40秒655まで縮めて後続との差を大きく広げる。1分41秒062に更新して2番手となったハミルトンに対し、マックスは0.4秒差をつけてQ2をトップタイムで終えた。ルクレールがハミルトンから0.2秒遅れの3番手につけ、そのあとはサインツ、ラッセル、ノリスが続いた。フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がチェコ、周冠宇(アルファロメオ)、ニコラ...
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