F1ブラジルGPでは、レッドブル・ホンダとメルセデスの競争力のバランスが再び逆転した。今週末の予想では、レッドブル・ホンダがダウンフォースが必要なセクター2でアンバンテージがあり、ロードラックのセクター1とセクター3はメルセデスが優勢で、そのタイムは相殺されるという方程式だった。
しかし、いくつかのことがこの方程式を崩した。ルイス・ハミルトンの新品エンジンとタイヤ使用におけるレッドブル・ホンダのフロントエンドの制限だ。メルセデスのF1エンジンは信頼性問題を抱えており、マイレージを重ねるとパフォーマンスが予想よりも大きく低下するという問題を抱えている。レッドブルF1のチーム代表のクリスチャン・ホーナーによると、ホンダのF1エンジンは、ライフの始まりと終わりのパフォーマンス差は0.1秒差。メルセデスはその2倍以上を失う。しかし、新品の場合、メルセデスの方がホンダよりもパワフルだ。予選ではルイス・ハミルトンがマックス・フェルスタッペンに0.436秒差をつけた。計算によるとエンジンでの差は約0.35秒。新品エンジンによるゲインは0.2秒であり、残りの0.15秒はメルセデスが高いモードで走らせたことによる。マックス・フェルスタッペンは「ホンダのエンジンパフォーマンスは寿命にわたって非常にフラットなラインだ。メルセデスは新品のときに多くのパフォーマンスを発揮するようだが、それはすぐに元に戻ると思う」とマックス・フェルスタッペンは語る。次はシャシーバランスだ。レッドブル・ホンダはセクター1でメルセデスに約0.2秒、セクター3で0.16秒を失っていた。ツイスティなセクター2ではレッドブル・ホンダがそれを補うと予想されていた。しかし、フロントエンドが強く、リアが弱いメルセデスは、サンパウロのコンディションではるかにバランスが取れており、セクター2でレッドブルのベストから0.145秒を奪った。レッドブルは、金曜日の低い路面温度がアンダーステアにつながっており、日曜日に予想される高温ではバランスを取り戻すと考えていた。土曜日の路面温度はその中間であり、レッドブル・ホンダは予選よりも優れたバランスを誇っていた。日曜日は路面温度が55度まで上昇。だが、結果的にレッドブル・ホンダの方がデグラデーションに苦しむことになった。それは1回目のピットストップで証明された。アンダーカットを狙ってマックス・フェルスタッペンより先にピットに入ったハミルトンは、前に出ることはできなかったが、1.2秒以内に到達した。その結果、マックス・フェルスタッペンは、ルイス・ハミルトンにアンダーカットをさせてはいけないという思考に入り込んだ。チームに早いタイミングでタイヤ交換を要求し、40周目にピットイン。残りはまだ31周もあった。結果的に路面温度が高いにも関わらず、日曜日にレッドブル・ホンダはバランスを取り戻すことができず、セクター2でアンダーステアに苦しんた。マックス・フェルスタッペンは「メルセデスはセクター1と3で非常に速かったので、ミドルセクターを少し強く押してラップタイムを出さなければならなかった。明らかに、それはタイヤのデフレデーションをかなり高くした」とコメント。メルセデスは、タイヤから多くを奪うことなくレッドブルタイムを達成することができた。これは、ストレートセクターでの優位性と、バランスが取れていることによるだ。これが決勝でのレッドブル・ホンダとメルセデスの違いの核心だった。