レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ホンダF1撤退が決定後、2022年以降にレッドブルが独自エンジンを運用することを決定する前に、フェラーリとF1エンジン契約の可能性について“予備交渉”を行っていたことを明らかにした。レッドブルF1は今年2月、F1から撤退するホンダからF1エンジンの知的財産系を引き継ぎ、2022年から2014年までホンダのF1エンジンを運用するために独自のエンジン部門であるレッドブル・パワートレインズを設立することを発表した。
レッドブルのその決定は、2025年に新しいパワーユニット規則が導入されるまでF1エンジンの開発を凍結するというF1チーム間の合意によって可能となった。だが、ホンダがF1を撤退するという決定は、F1エンジンの凍結が合意されるまで、レッドブルとその姉妹チームであるアルファタウリを不安定な状況に陥らせ、レッドブルは代替オプションを模索することになった。2019年のルノーとの関係を解消した際の敵意を考えれば、両社の再タッグは論外であり、メルセデスは主要なライバルに供給することに関心はなく、レッドブルにとってフェラーリが唯一の選択肢として残った。クリスチャン・ホーナーは、フェラーリがレッドブルにF1エンジンを供給する可能性のある“最も意欲的”なエンジンメーカーだったことを確認したが、チームは常にカスタマーチームになるという考えには反対していたと強調した。「最も自然なことは、既存のサプライヤーと話し合うことだった」とクリスチャン・ホーナーは Beyond theGrid ポッドキャストに語った。「メルセデスとは非常に短い会話だった、そしてトト(ヴォルフ/チーム代表)は明らかにそれについて特に熱心ではなかった」「実際、チームとしてのルノーの願望にはレッドブルのようなチームへの供給は含まれていなかった。おそらく最も意欲的だったのはフェラーリだった」「そして、ご存知のように、我々はいくつかの予備的な議論をしたが、カスタマーになるということは、すべての統合を受け入れる必要があり、特に新しいレギュレーションが導入されれば、心の折り合いをつけるのは非常に難しい事柄であっただろう」「そこが我々は可能性を探求し始めたときだ。OK、どうやってレッドブルのやり方でこの挑戦に取り組み、予見可能な将来にホンダと契約を結ぶことができるかどうかを見極められるか?とね」「凍結はその基本でした。そうでなければ、我々にはエンジンを開発する能力はなかっただろう」クリスチャン・ホーナーは、ホンダF1の知的財産権を使用した継続プロジェクトが、レッドブルが今後数年間競争力を維持するための“唯一の選択”であったと認める。レッドブルF1は、エンジンプログラムを主導するベン・ホジキンソンを含め、メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズから多くのスタッフを引き抜き、新しいエンジン部門に参加させた。「エンジンサプライヤーとしての我々自身の運命をコントロールし、ミルトンケキーンズの1つの屋根の下にすべて置くことは、大きな一歩であり、大胆な一方だった。フェラーリ以外ですべてを1つの施設内に持つ唯一のチームになるということだ」とクリスチャン・ホーナーは続けた。「納得という点では、彼(ディートリヒ・マテシッツ/レッドブルのオーナー)は自分でその結論に達したと思う。我々には選択の余地はなかった。そして、ヘルムート(マルコ)は当然ながら非常に協力的でそれを強く求めていた」「完全に正しい選択だった。実際、我々が競争力を維持するためには、それが唯一の選択だった」
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