F1アゼルバイジャンGPの金曜フリー走行は、エンジン性能面でもレッドブル・ホンダとメルセデスの差が出た初日と言える。F1アゼルバイジャンGPに先駆けて、メルセデスとそのカスタマーチームは新品エンジン、MGU-H、ターボチャージャー、MGU-K、および排気システムを投入。フェラーリ勢も新品エンジン、ターボチャージャー、MGU-Hを投入。フェラーリの両ドライバーはMGU-Kも交換している。
それに対し、ホンダF1勢は、最初の5レースで故障によって交換したドライバーはいたものの、これまでと同じユニットで初日のフリー走行を走った。バクー・シティ・サーキットは、モナコの低速コーナーにモンツァのストレートをくっつけたような市街地サーキット。セクター1が直角コーナー、セクター2が市街地の低速コーナー、そして、セクター3は7割が全開の約2.2kmのロングストレートを備えた区間となっている。前回のバクーでの開催は2019年だったが、ロングストレートのセクター3はホンダF1エンジン勢には不利であり、メルセデスがポール・トゥ・ウインで1-2、3位にはフェラーリのシャルル・ルクレールが続き、レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが4位だった。しかし、フリー走行2回目ではレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスが、3番手のフェラーリ(カルロス・サインツ)に0.128秒差をつけ、11番手のメルセデス(ルイス・ハミルトン)に約1秒差をつけた。2番手のマックス・フェルスタッペンはFP2で行った変更が機能していなかったことを明らかにしており、土曜日にむけてさらに改善が見込まれている。レッドブルは別として、金曜日に力強いパフォーマンスを見せたのはフェラーリで、両チームともモナコのレース週末の傾向を継続しているように見えた。また、両チームがロングランで非常に速いペースを記録したことも注目に値する。特にレッドブルがライバルよりもタイヤのデグラデーションに苦しんでいないように見えることは注目に値する。メルセデスF1は、フロントタイヤの熱入れに苦しんだ前戦F1モナコGPでの問題を解決できていないようであり、低速のセクター2で特に遅れをとっており、シングルラップでのパフォーマンスに危機感を募らせている。当然、金曜日のフリー走行ではエンジンを全開で回すわけではないが、それでも新品と中古エンジンでは許容量に差がある。そのなかでの1秒差はエンジン性能面でもホンダF1の“新骨格”エンジンの改善が証明された初日と言えるかもしれない。ホンダF1は土曜日には新品のエンジンを投入すると考えられている。2021年 F1アゼルバイジャンGP FP2 結果1.セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ) - 1分42秒1152.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) +0.1013.カルロス・サインツ(フェラーリ) +0.1284.シャルル・ルクレール(フェラーリ) +0.3215.ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ) +0.4196.フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ) +0.5787.アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ) +0.8268.ランド・ノリス(マクラーレン) +0.9039.エステバン・オコン(アルピーヌ) +0.90510.角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ) +1.01511.ルイス・ハミルトン(メルセデス) +1.04112.キミ・ライコネン(アルファロメオ) +1.10513.ダニエル・リカルド(マクラーレン) +1.18314.ランス・ストロール(アストンマーティン) +1.69715.セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン) +1.76616.バルテリ・ボッタス(メルセデス) +2.06917.ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ) +2.44218.ニキータ・マゼピン(ハース) +3.44819.ミック・シューマッハ(ハース) +3.98020.ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ) +4.868
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