レッドブル・レーシングのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、2006年にエイドリアン・ニューウェイが加入した際の最初のリクエストについての逸話を語った。現在のF1で最も偉大なデザイナーといっても過言ではないエイドリアン・ニューウェイは、2005年に約8年間在籍したマクラーレンを離れ、スタートアップからわずか1年のレッドブル・レーシングへ電撃移籍した。
エイドリアン・ニューウェイは、レッドブルに入社する前、クリスチャン・ホーナーにリクエストを出した。32歳でF1史上最年少チーム代表となったホーナーは、マクラーレンのF1チーム代表であるロン・デニスと交渉することになる。「彼(ニューウェイ)がマクラーレンを去ったとき、彼は『クリスチャン、ウィリアムズで使っていた製図版が本当に気に入っているんだ。マクラーレンに持って行ったまま置いてきている。私のためにマクラーレンから持ってきてくれないか?』と言った。『もし、私がロン・デニスに尋ねたら、彼はそれを与えてはくれないだろう』とね」とクリスチャン・ホーナーはレッドブルのプレスイベントで陽気に語った。「それ、私はロン(デニス)に電話をした。彼が私に15分間のレクチャーをした。それについてかなり説教されたよ」「彼(デニス)は『その製図板が必要な場合は慈善団体に寄付する必要がある』と言った。それで、我々(レッドブル)はその製図板を取り戻すために慈善団体に寛大な寄付をした」レッドブル・レーシングは、2010年から2013年までF1のドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを4連覇。エイドリアン・ニューウェイの願いを聞いたことはチームに大きな利益をもたらした。