レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、2021年にドライバーを務めるセルジオ・ペレスがこれまでのキャリアで決して競争力があるわけではないマシンで表彰台を獲得してきたのは“偶然ではない”と語る。昨年までレーシング・ポイントに7年間在籍していたセルジオ・ペレスだが、チームが4回のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルの起用を決定したことでシートを喪失。皮肉なことにベッテルがかつて所属していたレッドブル・レーシングに加入することになった。
実はセルジオ・ペレスとレッドブルとの接点は今回が初めてではなかった。過去にレッドブルF1の首脳陣はジュニア時代のセルジオ・ペレスの評価を行っている。レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「昔、エストリルでのせっしょんでペレスをパフォーマンスを見た」とコメント。「ダニエル・リカルドもそれにいて、ロングランではペレスはリカルドと同じくらい速かった。また、予選シミュレーションのようなことを行ったが、そこで彼はリカルドより少し遅かった。それは彼がフェラーリのジュニアになる直前だった。だから、我々はすでに彼との歴史がある」セルジオ・ペレスは、フェラーリのジュニアドライバーになるとともに、ザウバーからF1デビューし、表彰台を獲得。翌年のマクラーレンへの移籍は失敗に終わったが、その後、フォース・インディア/レーシング・ポイントでF1キャリアを重ね、昨年のF1サヒールGPではF1初表彰台を獲得した。ヘルムート・マルコが指摘するように、セルジオ・ペレスは予選ではそこまで印象的なわけではないが、レースでは優れたタイヤマネジメントと一貫性のある走りで上位に繰り込んできた。レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーもセルジオ・ペレスのロングランでの一貫性とタイヤマネジメントを強みとして挙げる。「チェコ(ペレス)には多くの経験があり、F1で10年間運転してきた」とクリスチャン・ホーナーは述べた。「昨シーズンの彼のパフォーマンスは素晴らしかったし、特にレースでは非常に強かった。彼は昨シーズンの(アレクサンダー)アルボンよりもマックスをプッシュできると思う。メルセデスとの戦いでユニットとして我々を強くすることを期待している」「彼が表彰台に属していないマシンで表彰台に到達したのは偶然ではない」とクリスチャン・ホーナーは、ザウバーとフォース・インディア/レーシング・ポイントでセルジオ・ペレスが達成した10回の表彰台に言及した。「彼はレース中に非常に決意があり、タイヤマネジメントに優れている。セルジオは現在、彼のキャリアの中で非常にバランスの取れた段階にある」「彼はタイヤを非常にうまく管理している。しかし、我々は1つのことだけを検討したわけではなく、パッケージ全体で検討した。我々は彼の全体的なパフォーマンスに目を向けてきた。イスタンブール(2位)でもバーレーンでの両方のレース(リタイア前まで3位/優勝)でも、2020年の彼のパフォーマンスは非常に印象的だった」