レッドブル・ホンダF1にとって、F1トスカーナGPの決勝はドライバーとチームの両面でスタートが課題であることが浮き彫りとなるレースとなった。マックス・フェルスタッペンが3番グリッド、アレクサンダー・アルボンが4番グリッドと2列目から2台で打倒メルセデスを目指したレッドブル・ホンダだったが、その望みはオープニングラップで脆くも崩れ去る。
抜群の発進でポールスタートのルイス・ハミルトンに並びかけたマックス・フェルスタッペンだったが、突然のパワーロスによって失速。密集地帯に順位を落としたフェルスタッペンは接触事故に巻き込まれてリタイアを喫した。ホンダF1にとって復帰後初優勝となった2019年のF1オーストリアGPでもマックス・フェルスタッペンはフロントローからスタートで7番手まで後退。今回とは異なる問題ではあるものの、ホンダのF1パワーユニットとしてスタートが課題であるのは確かだ。F1初表彰台となったアレクサンダー・アルボンもスタートは散々だった。発進が鈍り、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に先行を許し、スピードが乗らないサーキット前半部分ではランス・ストロール(レーシング・ポイント)にもポジションを脅かされた。赤旗後に仕切り直しとなった2回目のスタートはさらに悪く、4番手から7番手まで後退。3回目のスタートは問題なくこなしたが、2回のスタートでの失敗でチャンスを失ったのは確かだ。また、ホンダのF1パワーユニットの信頼性問題も無視できない問題だ。マックス・フェルスタッペンは前戦F1イタリアGPでもオーバーヒートの問題によってリタイア。2戦連続でホンダのF1パワーユニット関連でリタイアに追い込まれており、ドライバーズランキングで首位のルイス・ハミルトンと80ポイント差と絶望的なポジションとなった。「修正されてはいなかった。フォーメーションラップですでにエンジンがストールしていた。モンツァと同じ問題だったと思う。発進は順調で、ルイスに並んだけど、加速せず、かなりのスピードを失った」とさすがのマックス・フェルスタッペンも不満を抱いていることは明らかだ。レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも「このような問題が再発しないようホンダとチームが調査している」と語っている。ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は「速さを見せていた週末にPUのトラブルを抱えることになり、我々にとっては厳しいレースになりました」とコメント。「すでにファクトリーでの分析を開始していますが、徹底的に原因究明と対策を行い、次戦からのシーズン後半戦に臨みます」関連:F1トスカーナGP 結果:大荒れのレースでハミルトンが今季6勝目。レッドブルF1のアルボンが嬉しい初表彰台3位