レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、F1 70周年記念GPでメルセデスと同じことをしていては勝ち目はなかったと認め、マックス・フェルスタッペンは、ハードタイヤでのスタートを“受け入れるしかなかった”と語る。マックス・フェルスタッペンは、F1 70周年記念GPの予選Q2をハードタイヤで通過しか唯一のドライバーだった。つまり、決勝でパフォーマンスの劣るタイヤでスタートすることになったが、その予想外に戦略が奏功し、メルセデスの2台を実力で破っての勝利に繋がった。
クリスチャン・ホーナーは、レース前に戦略を決定する際、チームとマックス・フェルスタッペンは、その戦略に長所と短所があることを認識していたが、異なる戦略を採らなければ勝ち目はなかったと語る。「彼は明らかにそれを受け入れるしかなかった」とクリスチャン・ホーナーは語る。「我々はシミュレーションを行い、リスクと利益が出てきた。先週のパフォーマンスを考えれば、メルセデスと同じことをやっても、結果は同じになるだけだと感じた」「少なくともハードで走行していれば、理論的にレース後半にセーフティカーが入っても、我々には終盤にグリップアドバンテージを得られる可能性があっただろう。そうはならなかったが、実際、我々にはレースを通してペース的にアドバンテージがあった」「そこにはリスクもあった。特定のタイミングでセーフティカーが入れば、それに悩まされる場所にいる可能性もある。だが、水晶玉はない」「だが、それはうまくいった。やってみる価値のあるギャンブルだったし、それが成果を挙げた。だが、我々はシンプルにメルセデスに対してスティントを長くして、ペース的にアドバンテージを得られるペースがあった」また、クリスチャン・ホーナーは、マックス・フェルスタッペンがハードタイヤで見せたペースは予想外だったと認める。「メルセデスに対抗する最善の策は、異なることをすることだと感じていた」とクリスチャン・ホーナーは語る。「ハードタイヤ、つまり先週のミディアムタイヤでスタートしたことが、重要な要因となった」「ハードでQ2を突破したチームが我々だけだったことには驚いた。だが、メルセデスと比較した我々のペースは先週よりも強かったことは間違いない。コンディションはわずかに異なっていたし、タイヤ圧もわずかに異なっていた」「理解しなければならない多くのデータがある。今日の我々のマシンは非常に支配的だったし、素晴らしいペースで長く走ることができた」「それによって、我々は使い古したタイヤでメルセデスをオーバーカットすることに成功し、ポジションを上げることができた。それにより、我々はミディアムタイヤを走らせる戦略に変更し、ハードタイアで彼らをカバーできた。事実上、レースの最後は同じタイヤコンパウドでの真っ向勝負になった」「そのすべては、マックスのタイヤの管理とマシンのペースによって可能になった」「マックスはタイヤに良いフィーリングを感じていたと思う。マックスが信じられないようなタイヤをマネジメントする姿は何度も見てきた」「前のマシンを追いかけていると、タイヤにダメージを負うことも分かっている。メルセデスが先にピットインすることは分かっていたし、我々はそのチャンスを活かすためにも、タイヤを残しておきたかった」「彼は高速コーナーでタイヤを労わって走ることに自信を持っていたし、ピットインの準備もできていた。彼が無線で言っていた通り、見事にマネジメントしていた」「ミディアムタイヤを履いていた時もそうだったし、レース終盤にはフレッシュなタイヤを履いたルイスがアグレッシブに攻めてきた時に備えて、ペースを抑えていた」「メルセデスがタイヤを交換したとき、我々はかなり使い古したタイヤで彼らと同じペースで走れていた。彼らのタイヤには早い段階でブリスターが出始めており、これで勝てると思った」