レッドブル・ホンダF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、チームが独自のDAS(デュアル・アクシス・ステアリング)の開発に取り組んでいることを確認し、より“急進的”なシステムを選択する可能性があることを示唆している。メルセデスF1によって設計されたDASは、ステアリングを前後にスライドさせることにより、フロントタイヤのトー角を調整できるデバイスとなっており、タイヤ温度やストレートスピードに影響を与えると考えられている。
先週末の開幕戦F1オーストリアGPでは、メルセデスF1は、ストレートだけでなく、コーナーでもDASを使用し、またセーフティカー中のタイヤの熱入れでも活用されていた。レッドブル・ホンダF1は、F1オーストリアGPの金曜日にDASの合法性についてFIAに抗議したが棄却されている。多くの人は、レッドブル・ホンダF1がすでに合法であることが証明されているシステムをわざわざ抗議したのは、独自のシステムを開発する場合の参考にするためだと考えている。クリスチャン・ホーナーは、レッドブル・ホンダF1が実際に今シーズンのDASの実装を検討しており、メルセデスF1が採用するものよりも“急進的”なものになる可能性があると語った。「我々の観点では、DASはグレーゾーンだった」とクリスチャン・ホーナーは Servus TV に語った。「メルセデスはそれがステアリングシステムの一部であるという主張を提唱しが、我々はそれがサスペンションの一部であると考えた。最終的にそれはタイヤを暖めるためのものだ」「テクニカルデリゲートは、公聴会のためにシュピールベルクにいた。金曜日の抗議だったため、この件は週末の残りの部分に影響を与えなかった…しかし、我々はコースに出る前にそれを解決したいと考えていた」「我々はこれに多額の資金を投入している。許可された今、我々はもっと極端な解決策を探すことになるだろう」週末を通して2番目に速いだったレッドブル・ホンダF1だったが、信頼性問題によってノーポイントでレースを終えることになった。マックス・フェルスタッペンは早期に電気系の問題でリタイアした。アレクサンダー・アルボンは表彰台、おそらくは勝利を収めるのに良いポジションにいたが、ルイス・ハミルトンとのバトルで接触してスピンを喫して後方に下がった後、PUの電気系のトラブルによってリタイアした。「我々はその時点まで戦略的に非常にうまくやっていた。アレックスをピットに入れてソフトタイヤを履かせていた。アレックスはこのアドバンテージをすぐに使用する必要があった」とクリスチャン・ホーナーは振り返る。「彼はルイスよりもはるかにスピードがあった。彼はすでにハミルトンを抜いたと考えていた。アレックスはこのレースに勝つチャンスさえあったと思っている。我々たちの戦略では、彼は各ラップでメルセデスよりも1.2秒速かった」