レッドブル・ホンダF1は、メルセデスF1が搭載しているDAS(デュアル・アクシス・ステアリング)を技術規則に違反している疑いがあるとして正式に異議申し立てを行った。2月のプレシーズンテストでメルセデス W11でDASの使用が発覚して以降、このデバイスは論争の的となってきたが、新シーズンが開幕する今日までメルセデスF1がDASを実際に使用するかどうかは不明だった。
レッドブル・ホンダF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは金曜日の初めにシステムの合法性についてFIAに説明を求めるつもりだと述べていた。しかし、F1オーストリアGPのフリー走行1回目からメルセデスF1はDASを使用。レッドブル・ホンダは合法性を明確化するために正式に異議申し立てを行うことを決定した。DASは、ドライバーをステアリングを前後にスライドさせることにより、フロントタイヤのトー角を調整できるデバイスとなっており、タイヤ温度やストレートスピードに影響を与えると考えられている。フリー走行1回目では、ストレートだけでなく、コーナーでも使用していることがオンボード映像で確認されている。DASは2021年のレギュレーションではすでに非合法化されることが決定しているが、今シーズンの使用に関しては許可されている。メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、法的な違反がないようにFIAと密接に協力してきたと合法性に自信をみせていた。レッドブル・ホンダF1がDASの合法性に不満を抱いている部分は、技術規則 3.8 空気力学的影響の条文だ。第11条4、第11条5および11条6に記載される部品および第14条3に記述のリアビューミラーは例外とし、車両の空気力学的性能に影響するいかなる特有な部分も:A. 車体に関するすべての規定に準拠していなければならない。B. 車両の完全な懸架部分に堅牢に固定して取り付けられていなければならない(堅牢に固定とは一切の遊びがない状態をいう)。第3条6.8に規定されるドライバーが調整可能な車体(その作動にのみ関連する最小限の部品に加えて)、および第11条4、第11条5および11条6に記載される部品は例外とし、車両の空気力学的性能に影響するいかなる特有な部分も、車両の懸架部分に対して不動を維持しなければならない。いかなる状況においても、車両の懸架部分と地面との間の間隙をつなぐように設計された、装置あるいは構造体を有することは一切禁止される。第3条7.10、第3条7.11および第3条7.12に定められる部品を除き、空気力学的影響をもつ部分および車体部分は一切、状況を問わず基準面より下方にあってはならない。第3条6.8に示されている調整に必要な部品は例外として、一切の車両のシステム、装置あるいは作動手順で、車両の空力特性を変更する方法としてドライバーの動きを使用するものは禁止される。レッドブルの不満の中心は、2020年にDASを許可する決定に集中しているようだ。2021年にはDASを非合法化しているが、技術規制は変更されていない。「まず第一にそれは非常に巧妙なシステムであり、それゆえにすべてがその背後にある創意工夫のおかげだ」とクリスチャン・ホーナーは語った。「我々の根本的な問題は、規制に準拠しているかどうかだと思っている。基本的にグレーなエリアにあり、今年の残りの部分に影響を与えるので、当然ながら、我々は明らかにそれを明確にしたい。それは来年には違法だ。質問は今年は合法であることだ。我々は必要なチャネルを通じてその疑問をFIAに提起する」FIAはメルセデスとレッドブルの代表者が現地時間19時10分にレーススチュワードに報告する必要があることを明らかにする文書をリリースした。関連:FIA、メルセデスのDASに対するレッドブル・ホンダF1の抗議を却下
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