英国を拠点する7つのF1チームが、新型コロナウイルス感染者の治療に必要な人工呼吸器の製造を支援するために集まった“Project Pitlane”は、NHSから20000件以上の受注に貢献している。英国を拠点とするF1チームは、新型コロナウイルスの危機に対処するための要件について政府と調整した後、3つの異なるワークストリームで“Project Pitlane”として知られるコラボレーションに3月に着手した。
メルセデスF1チームとUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)によって肺に酸素を供給するCPAP(持続陽圧呼吸療法)は10000件の受注を受けている。メルセデスF1チームが設計したCPAPは、酸素マスクが不十分で完全な人工呼吸器が必要でなかったときに肺感染症の患者がより簡単に呼吸できるようにする呼吸補助だ。メルセデスF1チームは、ブリックスワースにあるエンジン拠点全体をCPAPデバイスの生産に引き渡しており、1日あたり最大1,000ユニットを生産している。そして、新たにRapidly Manufactured Ventilator System(RMVS)と呼ばれるデバイスが“Project Pitlane”に発注された。RMVSは、臨床医と医薬品およびヘルスケア製品規制機関(MHRA)によって開発され、現在、政府からNHSに対して10,000ユニットを超える正式な発注があった。同時にレッドブル・レーシングとルノーF1チームが進めていた3番目のプロジェクトは終了することとなった。廃止されたこのプロジェクトはBlueSkyとして知られており、NHSのアリスター・ダーウッド教授によって発明されたポータブル換気装置の設計のためのものだった。レッドブル・レーシングとルノーF1チームのエンジニアは、アリスター・ダーウッド、臨床専門家、その他の関係者と協力して、3週間以内に設計のプロトタイプを提供した。しかし、NHSは、新型コロナウイルス患者の治療には当初必要であると考えられていたよりも高度なデバイスが必要だったため、この比較的単純なモデルはもはや必要ではないと判断した。このデバイスは、まだ規制当局の承認を受けていなかったため、正式に注文または支払いが行われていなかった。F1のスポークスマンは「BlueSkyのF1チームプロジェクトをリードしたレッドブル・レーシングとルノーF1チームは、プロジェクト全体を通して素晴らしい献身とスキルを示しており、彼らが行った仕事に誇りを感じるはずだ」と述べた。「7つのF1チームは引き続き、残りの2つのワークストリームに集中的に取り組み、さらに助けを求める要求に対応する準備ができている」
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