レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、F1への昇格を制限しているスーパーライセンスポイントシステムに異論を唱えた。レッドブルは、2015年にマックス・フェルスタッペンを17歳163日というF1史上最年少ドライバーとしてトロロッソからF1デビューさせたが、複数のF1チーム代表から“無責任”だと批判された。
FIAはそれらの声に対応し、18歳以上、そして、40点のF1スーパーライセンスポイントを獲得することが、F1参戦に必須なスーパーライセンスを発給する条件とした。しかし、ヘルムート・マルコはこのシステムに反対しており、グラーツ市内のオフィスで15歳のマックス・フェルスタッペンと最初に会ったときの印象を語った。「マックスに初めて会ったのは15歳頃だった。通常、私はドライバーと約20分ほど会話をするが、それくらいの時間で性格や全体的な構造を理解できる。しかし、マックスとは1時間半近く座って会話した」「目の前には非常に若い身体が座っていたが、精神面では3~5歳くらい成熟したものを持っていた。もし、フォーミュラカテゴリーで1年しか過ごしていない15歳がF1デビューを飾ったとしても、それは大胆なステップであり深刻なリスクではない」「彼がどれだけ成熟しているか、そして彼がカート時代にどれだけのことを学んだか、そして、彼がどれだけ努力してレーススポーツ全体に取り組んだことを知った」F1のデビュー前、マックス・フェルスタッペンはフォーミュラ3ヨーロッパ選手権で1シーズンしか経験していなかったが、2016年にトップチームのレッドブルに昇進している。F1のデビュー前、マックス・フェルスタッペンはフォーミュラ3ヨーロッパ選手権で1シーズンしか経験していなかったが、2016年にトップチームのレッドブルに昇進している。また、2018年にレッドブルはジュニアドライバーのダニエル・ティクトゥムをハンガリーテストに起用しようとしたが、FIAはスーパーライセンスポイント未達を理由に許可を出さなかった。その際にヘルムート・マルコは“彼はF3で素晴らしいドライバーだ!F1で若いドライバーをどうやって連れて行けいいのだろう?”と不満を述べていた。ヘルムート・マルコは、スーパーライセンスポイントは“過剰な反応”だと批判する。「システムを維持する理由はない」とヘルムート・マルコは語る。「FIAがこのシステムを改訂する事を望んでいる。なぜなら、40ポイントを獲得したとしても、その大部分のドライバーはF1で成功できるだけの才能を持ち合わせていないからだ」とヘルムート・マルコは語る。「速さがあるにも関わらず、必要となるポイントを獲得できていない才能溢れる若手もたくさんいる」過去にF1スーパーライセンスポイントシステムがあったら、キミ・ライコネン、ジェンソン・バトンといったF1ワールドチャンピオンは生まれなかっただろう。「マックスは信じられないような感情と反応を引き起こしたが、振り返っても、また同じことをするだろう」とヘルムート・マルコは強調した。現在、マックス・フェルスタッペンは8勝と23回の表彰台を獲得。ダニエル・リカルドが去った2019年からはレッドブルのチームリーダーの役割を担っている。