レッドブル・ホンダが、F1バルセロナテスト第2週のスタートでその実力の片鱗を垣間見せた。2月26日(火)にスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで開幕前最後の合同テストがスタート。システムのチェックがメインの先週のテストとは異なり、今週は各チームがレースに向けて2019年F1マシンのセッティングを煮詰めていく機会となる。
1回目のテストではホンダのF1エンジンのポテンシャルをフルには発揮せず、ロングランを中心に作業を進めていたレッドブル・ホンダ。先週のテストではフェラーリのSF90が最速と目されていたが、テストの結果を分析したレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、フェラーリとの差は0.2秒であり、その差はシャシー側で埋められると発言していた。迎えたテスト初日。ピエール・ガスリーはタイムシート上ではトップから0.06秒差の2番手タイムとなる1分17秒715を記録。しかし、トップタイムのランド・ノリス(マクラーレン)は終了間際にC4タイヤを装着したパフォーマンス走行で記録したもの。一方、ガスリーは1段階柔らかいC3タイヤでのタイムとなっている。ピレリは、各コンパウンド間の差を0.6秒と見積もっており、タイヤ的な観点から考えれば、ランド・ノリスのタイムは上回っていることになる。それよりも、同じ条件下で同じタイヤで走行したフェラーリを上回った部分が大きい。フェラーリは午前と午後でドライバーを分けており、午後に走行したセバスチャン・ベッテルがガスリーと同じC3タイヤで1分17秒925を記録。レッドブル・ホンダがフェラーリを0.210秒上回った。もちろん、4日間のテストの初日であり、タイムシートに一喜一憂してもまったく意味のないことだが、ホンダのF1エンジンは大きな問題もなく、レッドブルとトロロッソ合わせて239周を走り込むなど、信頼性とパフォーマンスを大幅に向上させていることが重要なポイントだ。ピエール・ガスリーもそれを心得ているようで現状でのラップタイムに“興奮しすぎても意味はない”と語る。「僕たちは自分たちのことに集中してプログラムを実行している。でも、ここまではいい感じだ」と走行を終えたピエール・ガスリーはコメント。「僕たちにポテンシャルがあることはわかっているけど、他チームが現時点で何をしているのかはわからない」ピエール・ガスリーは、レッドブル・ホンダはまだ次のレベルのパフォーマンスのためにプッシュはしていないと語る。「とにかく一日ごとに少しずつプッシュしてきたい。でも、まだ僕たちは全開ではプッシュしてない」「僕たちはまだエンジンパフォーマンスには伸びしろがある考えている。毎日少しずつプッシュしてきたい」とピエール・ガスリーはコメント。「今後数日でもう少しパッケージを理解して、より多くのパフォーマンスを引き出していけることを期待している」「僕たちにはまだあと3日あるし、今後もっとパフォーマンスを見極めていく。現在はクルマでもっと多くのマイレージを重ねて、もっとパッケージを学ぼうとしている段階だ。でも、今のところ僕たちはかなり満足しているよ」2019年 第2回 F1バルセロナテスト 1日目 結果PosドライバーチームマシンタイムGAP周回1ランド・ノリスマクラーレンMCL341分17秒709 ●  802ピエール・ガスリーレッドブルRB151分17秒715 ● +0.0061363ランス・ストロールレーシングポイントRP191分17秒824 ○ +0.115824セバスチャン・ベッテルフェラーリSF901分17秒925 ● +0.216815アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオC381分18秒589 ● +0.880996アレクサンダー・アルボントロロッソSTR141分18秒648 ● +0.9401037シャルル・ルクレールフェラーリSF901分18秒651 ● +0.942298ケビン・マグヌッセンハースVF-191分18秒769 ● +1.0601319ジョージ・ラッセルウィリアムズFW421分19秒662 ○ +1.95311910ダニエル・リカルドルノーR.S.191分20秒107 ● +2.3987711バルテリ・ボッタスメルセデスW101分20秒167 ○ +2.458712ルイス・ハミルトンメルセデスW101分20秒332 ○ +2.6238313ニコ・ヒュルケンベルグルノーR.S.191分20秒348 ● +2.63980● C1 / ○ C2 / ● C3 / ● C4 / ○ C5ピレリは、2019年のF1世界選手権から新しいタイヤ命名システムを導入。ドライコンパウンドは7種類から5種類への削減され、内部的に最も硬いものをC1(コンパウンド1)、最も柔らかいものをC5(コンパウンド5)と名付け、その中から3つのコンパウンドを各レースでハード(ホワイト)、ミディアム(イエロー)、ソフト(レッド)として配分する。公式テストではレースとは異なり、5種類すべてのコンパウンドが使用するため、F1マシンがどのタイヤを装着しているかを識別しやくすくするため、ピレリは最も硬いC1と最も柔らかいC5にサイドウォールにストライプをつけないカラーリングを採用ししている。関連:F1バルセロナテスト 1日目:マクラーレンのランド・ノリスがトップタイム
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