レッドブル・レーシングのF1チーム代表クリスチャン・ホーナーは、かつてチームに所属していたセバスチャン・ベッテルがシャルル・ルクレールの加入によって2019年のF1世界選手権で“新しいレベル”を見つけることになるかもしれないと考えている。クリスチャン・ホーナーは、セバスチャン・ベッテルがレッドブル・レーシングに所属していた時代にダブルタイトルを4連覇。だが、セバスチャン・ベッテルのレッドブル最終年は新入りのダニエル・リカルドに凌駕されることになり、フェラーリへの移籍へと繋がった。
セバスチャン・ベッテルは、フェラーリにまだタイトルを獲得できていないが、2015年から2018年までチームメイトを務めたキミ・ライコネンを常に上回ってきた。しかし、クリスチャン・ホーナーは、キミ・ライコネンの後任として加入するシャルル・ルクレールがセバスチャン・ベッテルを苦しめることになると考えており、それがセバスチャン・ベッテルを新たなレベルに押し上げる原動力になるかもしれないと語る。「シャルルは本当にエキサイティングな才能だ。F1にとってそれを見られるのは素晴らしいことだ」「現在、セバスチャンは31歳になり、そのようなヤングスターたちが確立されたドライバーたちにプレッシャーをかけはじめるのを待っている。競技という観点でそれは魅力的なことだ」「ベッテルはキミをかなり容易に凌駕してきた。だが、シャルルとはもう少し賢明に仕事をしなければならないかもしれない。だが、今後、彼は新しいレベルを見つけることになるかもしれない」「だから、さらに強くプッシュされることは彼にとって良いことかもしれない」フェラーリは、過去2年間ではるかに競争力のあるF1マシンを製造してきたが、ドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権でメルセデスの連覇をストップすることができなかった。セバスチャン・ベッテルはその2年間の序盤はルイス・ハミルトンを上回る成績を残していた。今年、フェラーリはF1活動予算を増加させる予定であり、マウリツィオ・アリバベーネに代えてマッティア・ビノットを新F1チーム代表に任命。さらに元F1ドライバーのブレンドン・ハートレーとパスカル・ウェーレインをシミュレーターチームに加えるなど、2019年のタイトル奪還にむけて体制を整えている。セバスチャン・ベッテルのフェラーリ内での立場についてクリスチャン・ホーナーは「彼は行われた変更を支持していると確信している。当然ながら、フェラーリのナンバー1ドライバーには非常に大きな期待がある」とコメント。「彼は新しいチームメイト、新しいマネジメントを得た。今年、彼の周りには新しいことがかなりたくさんある」新F1チーム代表のマッティア・ビノットは、フェラーリのF1エンジンプログラムを統括した後、テクニイカルディエレクターに就任して成果を挙げた。だが、元ジョーダンF1のデザイナーであるゲイリー・アンダーソンは、ビノットのチーム代表昇格は“フェラーリの技術力を薄める”ことになると疑問視している。クリスチャン・ホーナーも「両方の役割を果たすことはできないので、マッティアにとって大きな仕事だ」と同意する。「テクニカルディレクターかチームプリンシパルであるかのどちらかだ。現時点で彼が両部門を統括するのは難しいシナリオだと思う」「どちらもそれ自体が巨大な仕事だし、進化のプロセスになっていくだろう。彼らは何らかの理由で変更を加えた。彼らッは私がレッドブル時代にフェラーリと対戦してきたなかで5回チームプリンシパルを変えた」「マネジメントが変更になるたびに文化やアプローチにも変化が起こる。それには時間がかかる」