レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ダニエル・リカルドの後任として、あくまでパフォーマンスに基づいてカルロス・サインツではなくピエール・ガスリーを選んだと強調した。ダニエル・リカルドは、今シーズン限りでレッドブル・レーシングを離れ、2019年からルノーに移籍するという決断を下した。
昨年末、レッドブルはカルロス・サインツとの契約を保持したままルノーにサインツをローン移籍させており、当時クリスチャン・ホーナーは、カルロス・サンツはダニエル・リカルドがチームを離脱した場合の“セーフティネット”だと語っていた。ダニエル・リカルドのレッドブル・レーシング離脱が発表された当初、すぐにカルロス・サインツの起用が獲得されると考えられていたが、レッドブルは「我々は今後、2019年シーズンにマックス・フェルスタッペンのパートナーを務めるドライバーを決定する前に様々な利用可能なオプションを評価していく」と述べ、様々な憶測が飛び交った。そのひとつが、マックス・フェルスタッペンが過去にトロロッソで険悪な関係となったカルロス・サインツの加入を拒否したというものだった。後日、カルロス・サインツは「彼は決してそんなことはしないだろう」と否定している。最終的にレッドブル・レーシングは、今年トロロッソ・ホンダでF1フル参戦を果たしたばかりのピエール・ガスリーを昇格させることを決定。カルロス・サインツは来季マクラーレンに移籍することになった。F1ベルギーGPの金曜記者会見に出席したクリスチャン・ホーナーには、ダニエル・リカルドの後任の選定プロセスについての質問が飛んだ。クリスチャン・ホーナーは、カルロス・サインツとピエール・ガスリーをパフォーマンスに基づいて評価し、ガスリーの起用を決めた後、サインツが他チームに移籍できるようにリリースしたと語った。「我々はピエール・ガスリーがトロロッソ内で行っているパフォーマンス面に基づいて彼を選択した」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「もちろん、それに先立ち、我々はカルロスとマックスのどちらかの選択という点でマックス・フェルスタッペンを選択していた」「カルロスのキャリアを継続的に発展させるために、我々は彼のキャリア開発を継続するためにルノーに彼をリースした」「我々には彼を戻すという選択肢もあった。だが、我々が有している選択肢と向き合い、相対的なパフォーマンスを見て、ピエール・ガスリーが卒業し、レッドブル・レーシングのシートを満たすに相応しい男だという選択をした」「それによって、我々はカルロスがすぐにF1で他のオプションを追求できるようにすぐにリリースした」「彼にはマクラーレンからのオファーが届いていたし、我々は彼が自由にそれを手にすることを妨げたくはなかった」また、クリスチャン・ホーナーは、ダニエル・リカルドの離脱についての気持ちも改めて語った。「今年、ダニエルとのプロセス全体が長引いてしまったように思う。実際、我々は2月に話し合いを始めていたし、当初はオーストラリアまでに完了したいと思っていた。その後、それはモナコ後まで延期され、モナコ後もまた延期となった。全体的なプロセスがかなり長引いてしまった」「最近の数週間はディートリッヒ・マテシッツも彼との議論に関与していた。バルセロナから議論に加わり、オーストリアでも話し合い、彼が残留するだろうというあらゆる兆候があった。だが、それはチームの視点からの兆候だった」「彼が米国に滞在していた木曜日電話があった際、彼は自分が望んでいること、要求していること、財政面、技術面、期間など、まだ彼が変えたいと感じていた彼のなかにあったすべてをさらけ出してくれた。それが彼が我々に説明した方法であり、彼は異なることをするための正しいタイミングだと感じていた」「もちろん、それは驚きだった。彼が離れたいと思う場合は、メルセデスやフェラーリのためだと思っていた。だが、彼の決断であり、我々はそれを完全に尊重している」「我々は素晴らしい10年間を過ごした。レッドブルはフォーミュラ・ルノーでジュニアとして彼に投資をした。彼は英国F3選手権で勝ち続けた。F3のシルバーストンで彼を見たとき、その段階で彼の才能が非常に明確だったことを覚えている」「その後、彼はルノー・ワールドシリーズを卒業してHRTでF1に入り、そこからトロロッソに加入し、その後、マーク・ウェバーが引退した際にセバスチャン・ベッテルのパートナーに選ばれた。我々はその期間に彼が成長し、個人、そして、ドライバーとして進化するのを見てきた。彼は過去5年間、レッドブル・レーシングというチームにいることを喜んでいた」「彼はいくつか素晴らしいレースを見せてくれた。彼は素晴らしいキャラクターだ。我々はそれを表現するためのプラットフォームを彼に与えてきた」「彼のキャリアの次の旅路での活躍を祈っている」