レッドブル・レーシングは、2018年のF1世界選手権でメルセデスのF1エンジンの優位性がさらに大きくなる可能性があると懸念している。2014年にF1にV6ターボハイブリッドが導入されて以降、メルセデスは4年間で63勝を挙げて、ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの両方を4連覇している。
これまで伝統的にマシン開発に最大限の時間をつぎ込めるようにギリギリまで新車の製造を遅らせてきたレッドブルだが、今年はすでにシルバーストンで2018年F1マシン『RB14』のシェイクダウンを完了し、来週からスタートするプレシーズンテストに備えている。レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、RB14のシャシーをさらにプッシュしてはいるものの、2018年にタイトルを争うには不十分かもしれないと懸念している。「今年、ルノーのエンジンはより信頼性を高め、パワフルなものになるはずだし、我々も開始時から競争力のあるシャシーを得られるだろう。だが、メルセデスは新しいエンジンを製造している」とヘルムート・マルコは Auto Motor und Sport にコメント。「彼らの優位性はさらに大きくなるかもしれない。ルノーのエンジンが約束を果たすことができれば、間違いなくメルセデスに近づけるはずだがね」「我々は常にシーズン後半にスピードを上げていてきたし、分析結果は我々がいつもクルマを完成させるのが遅すぎることを示していた。最後の14日間で100分の数秒を見い出しても意味はない。シーズンにむけて準備が整っていることの方が重要だ」レッドブルのドライバーであるダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンのチームメイト同士のバトルは2018年のF1世界選手権のメインの話題のひとつになっている。ライバルのメルセデスとフェラーリでは、ルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテルがそれぞれチームチーダーとして確立されている。レッドブルのメインのライバルがそれぞれ一人のドライバーに集中できることは有利だと考えているかと質問されたヘルムート・マルコは、いずれにせよ、レッドブルはタイトルに挑戦できるポジションにいる可能性は低いと強調する。「それはアドバンテージだと思う。だが、同等の強さのドライバーが二人いれば、最高のパフォーマンスレベルにお互いをプッシュしていく。それに彼らは最大のパフォーマンスレベルのために技術者やシャシーもプッシュする」とヘルムート・マルコは語る。「限界まで攻めるドライバーが一人しかいない場合、自分たちがどの位置にいるかはわからないものだ」「ドライバーがお互いにポイントを奪い合うことになれば不利だが、我々はまだ今年タイトルを獲得を争える状況にはいないと思っている」