レーシングポイントF1チームは、シルバーストンの敷地内に新たに2500万ポンド(約36億4500万円)のファクトリーを建設する計画を発表した。新しいファクトリーは今月には計画が許可される見通しであり、チームは2021年のF1シーズンに間に合うように年内に建設を開始できることを期待している。
「これは新しい章、新しい時代の幕開けだ。株主からは投資を行い、チームが定期的な表彰台候補になることを助けるための大きなエネルギーがある」とレーシングポイントのチームプリンシパルを務めるオトマー・サフナウアーはコメント。「チームがここまで安定し、何も心配しなくてよかったことはない。このプロジェクトはF1で最高のスタッフを引きつけ、維持することを目指している」レーシングポイントの現在のファクトリーは、シルバーストン・サーキットの向かい側の3エーカーの土地に位置している。元々はジョーダンのために1991年に建設され、それ以降、ミッドランド、スパイカー、フォース・インディアを収容してきた。しかし、ファクトリーは現代のF1運営に必要とされる人員レベルを超えることになり、再開発が必要となっていた。過去10年間でチームの人員数は大幅に増加。昨年8月にレーシングポイントが引き継いだ際には、2009年の280名から405名に増えていた。チームはさらに20名の従業員を追加しており、パフォーマンスを向上させるために今後2年間でさらに180名を増員する予定としている。昨年末にカナダの億万長者であるローレンス・ストロール率いるコンソーシアムがフォース・インディアを買収した際の優先事項のひとつが、ファクトリーの開発だった。それ以来、敷地周辺の土地を購入し、レーシングポイントの本拠地の規模を10倍の30エーカーに拡大することで合意された。最初の段階はすでに進行中であり、土地は2段階で再開発が行われる。125名の従業員はブラックリーにある2つ目の拠点で作業していたが、ファクトリー周辺の賃貸物件に移動している。倉庫スペースも、現在の拠点に近い産業ユニット内のチームのシミュレータおよびレースオペレーションルーム内に間借りされている。チームの哲学はシャシーの建設の大部分を外部委託することだったが、新しいファクトリーの計画ではインハウスでマシンを製造できる卓越した製造センターの建設が含まれている。デザインオフィスとマニュファクチャリングで雇用される人員の比率は、2021年レギュレーション構造にによって決定されることになる。オトマー・サフナウアーは「我々の新しい施設は、計画していた600人程度の人員レベルへの拡大に対応できるようになるだろう」とコメント。「全員が1つの屋根の下にいる必要がある。製造能力を拡大し、素敵な食堂、いくつかのオフィススペース、会議室、そして、従業員用のジムも造りたい」「しかし、贅沢なものにすることは計画していない。まだDNAとレーサーのスピリットを保持する必要があり、それはパフォーマンスのために目的に合わせて造られることになるだろう」