ポルシェの監査役会は、同社にとって初の100%電気自動車のプロジェクト、ミッションEプロジェクトを推進することを12月4日に決定した。Dr.オリバー・ブルーメは、「ポルシェはこれによってスポーツカーの歴史の新たな章を始めることになります」とコメント。この車両は2020年末までに発売される予定としている。
ミッションEプロジェクトによって、ポルシェは再生可能な成長の道を歩み続けていく。シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼン地域だけでも1,000以上の新しい雇用が生まれる。この本社工場付近だけでも約7億ユーロの投資を行う。今後数年の間に新しい塗装工場と組立工場が建設され、現行のエンジン工場は電気モーター生産のために拡張されることになる。現在稼働中のボディ工場も拡大される。さらにこの方針に従ってヴァイザッハのR&Dセンターなど、別の地域への投資も加わる。ミッションEコンセプトカーは9月に開催されたフランクフルト国際モーターショー(IAA)でワールドプレミアを果たした。観客は何よりもそのエモーショナルなデザインに心を掴まれた。Eパフォーマンスというキャッチフレーズとともに、この最先端技術のパイオニアは傑出したパフォーマンスと、最上級の現代的な実用性を兼ね備えている。4つの独立したシートを備えた4ドアボディには600PS(440kW)を超す出力が隠されている。これによりミッションEは0‐100km/h加速を3.5秒以下でこなし、500km以上の航続距離を可能とする。この車専用に開発された現代の一般的なクイックチャージの2倍に相当する800Vのチャージャーユニットを介して、車両フロア部に搭載されたリチウムイオンバッテリーは僅か15分の充電で最大航続距離の80%に相当するエネルギーを充電することが可能。ポルシェAGの監査役会会長であるDr.ヴォルフガング・ポルシェは「ミッションEによって我々はこのブランドの将来像をはっきりと示すことになります。激動する自動車の世界において、ポルシェは魅力的なスポーツカーの第一人者の地位を確保します。」とコメント。取締役会社長のDr.オリバー・ブルーメは「我々は電気モビリティに対して堅い決意のもと挑戦します。完全な電気自動車スポーツカーの分野においてもポルシェの哲学は揺らぐことなく、顧客に対してマーケットの中で最もスポーティで技術的に洗練されたモデルを提供していきます。」と述べ、このプロジェクトが技術の中心であり、ドイツ自動車産業の中心でもあるシュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンの工場で生産されることも強調した。ポルシェAG労働組合の議長であり、監査役会副議長でもあるウーヴェ・ヒュックは「今日は祝いの日です。ついにこの日がやってきたのです。我々はミッションEプロジェクトを未来への伝統が息づくツッフェンハウゼンとヴァイザッハにもたらすことになりました。これは労働者にとっても経営者にとっても魅力的な考えでした。ツッフェンハウゼンとヴァイザッハは新たな時代の幕開けを迎えます。デジタル化は我々とともにあります。ファクトリー4.0プロジェクトは労働者にも労働組合にも経営者にとっても大きな挑戦となります。我々は社会的な責任を果たすことを忘れることなく、新しいアプローチをしていきます。今日なされた決断によって、ポルシェは自動車と産業の将来に対して一切の速度制限なく、スロットル全開で突き進んでいきます」と述べた。関連:ポルシェ、電気自動車コンセプト「ミッションE」を発表