ポルシェは、918スパイダーの市販車スペックを発表した。ポルシェ918スパイダーは、918台限定のハイブリッドスーパースポーツカー。価格は68万4800ユーロ(約8200万円。2013年11月からデリバリーが開始されるポルシェ 918スパイダーは、V8エンジンに2基の電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドを搭載。880psを超えるレーシングカー並みのパワーと、100 km当たり約3リットルの低燃費性能を融合する。
2012年9月にはニュルブルクリンクの北コースでポルシェカレラGTよりも約20秒上回る7分14秒を記録している。ポルシェ 918スパイダーは、さまざまな面においてモータースポーツと密接に結びついている。918スパイダーは、レーシングカーの開発に携わっているポルシェ モータースポーツの技術陣と市販車の製造に携わっているスペシャリスト達との協力によって、設計、開発、製造が行われている。918スパイダーには、2014年のルマン24時間用のレーシングカーの開発で得られた極めて詳細なノウハウが凝縮されている。また、918スパイダーの開発によって得られたノウハウがレーシングカーの開発にもフィードバックされる。シャシーだけで、たとえボディがなくても走行できる918スパイダーの構造的なコンセプトは、レーシングカーに由来。V8エンジンのコンセプトは、レーシングカーLMP2 RSスパイダー譲り。ロードベアリング構造をもつモノコックとサブフレームは、カーボンファイバー強化プラスチック製。部品の多くは、レーシングカーの部品供給企業として実績のあるサプライヤーから供給されている。918スパイダーの車両重量は約1,640 kg(「ヴァイザッハ」パッケージ)。全体がカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製で、極めて優れたねじれ剛性を実現。パワートレーン用コンポーネントおよび50 kg以上のすべてのコンポーネントは、可能な限り、車両中心のできるだけ低い位置に搭載される。この結果、前後重量配分はフロントが43 %、リアが57 %、重心はホイールハブの高さとほぼ同じとなっており、ドライビングダイナミクスにとって理想的。駆動用バッテリーは、ドライバーの背後の中央の低い位置に配置され、中心部へのマスの集中化と低重心化に貢献しているだけでなく、バッテリーの出力容量を最適化するための最高の温度条件を実現している。918スパイダーの独特の雰囲気を醸し出しているものは、エンジンのパフォーマンスだけではなく、そのサウンドでもある。これは、上方排気と呼ばれるエグゾーストパイプに集約されます。テールパイプは、リアエンドのエンジンの真上の部分に配置される。主なパワーソースは4.6リッター8気筒エンジンで、最高出力は612ps。このエンジンは、成功を収めたRSスパイダーのものと基本的に同じであり、最高回転数が9,150 rpmに達する。RSスパイダーのレーシングエンジンと同様に、918スパイダーのパワーユニットもドライサンプ方式を備え、オイルタンクは独立している。V8エンジンはハイブリッドモジュールと組み合わせて使用される。このハイブリッドモジュールは、115 kWの電気モーター、そしてエンジンと締結させるクラッチで構成されている。918スパイダーはパラレル式ハイブリッドのため、リアアクスルの駆動を、エンジンのみ、電気モーターのみ、またはエンジンと電気モーターを連動させて行うことができる。ポルシェのスーパースポーツカーの常として、918スパイダーのパワーユニットはリアアクスルの前方に配置され、またフロントアクスルへのプロペラシャフトは存在しない。エンジン、そしてリアアクスルおよびフロントアクスルに配置された電気モーターとの組み合わせによる独創的な4輪駆動は、レースにおける911 GT3 Rハイブリッドでの成功により得られた成果をベースにしている。前輪は独立して制御することができ、特に高速コーナリング時では極めて高い安全性がもたらされ、新次元の走りを実現。また、高度な「ブースト」プログラムにより、電気モーターのエネルギーを極めてインテリジェントに制御することができるため、最大限の加速力が必要なときはいつでも、アクセルペダルを100%踏み込むだけで、918スパイダーからフルパワーを引き出すことができる。発進時、バッテリーの充電状態が良好であれば、「Eパワー」モードが自動的に選択される。理想的な状態では、918スパイダーは電気モーター単独で30 km以上走行することができる。純粋な電気モードの場合でも、918スパイダーは0〜100 km/h加速を7秒以下で駆け抜け、最高速度は150 km/hに達する。このモードではエンジンは必要なときにのみ作動。バッテリーの充電状態が規定の最小値まで下がると、自動的にハイブリッドモードに切り換わる。このバッテリーへのエネルギー供給のために、ポルシェは、プラグイン充電ポートを備えた、充電能力の高い、新しいシステムを開発。助手席側のBピラーに配置された充電ポートを介して、バッテリーと家庭用電気コンセントを接続する。この充電ポートの仕様は、各国の規格に合わせて標準化されている。家庭用コンセントの交流が充電用の直流に変換され、最大充電出力は3.6 kW。付属のポルシェユニバーサルチャージャー(AC)を使用することにより、たとえば、定格10 Aのドイツの230 V家庭用電源から、駆動用バッテリーを4時間以内に完全に充電することができる。日本で200Vの電源を使用した場合、約2時間半での急速充電が可能となる。
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