ピレリが、2020年のF1世界選手権 第10戦 F1ロシアGP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。メルセデスのバルテリ・ボッタスが、2017年のF1初優勝時と同様に、3番グリッドのスタートからロシアグランプリを制した。ボッタスは、チームメイトのルイス・ハミルトンの10秒ペナルティを伴うピットストップの間にトップに立った。その10周後、ボッタスはイエロー・ミディアムからホワイト・ハードへと交換した。
2位を獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、ボッタスと同じ戦略を採り、ボッタスよりも1周早くピットストップを行った。トップ10グリッド中でボッタスとフェルスタッペンのみが、イエロー・ミディアムを装着してスタートを切った。3位でフィニッシュしたハミルトンは、昨日の予選Q2でソフトタイヤによるベストタイムを記録したため、ソフト~ハードと繋ぐ戦略を採った。また、レースでは10秒ペナルティを科され、11位まで後退したが、表彰台獲得まで挽回した。マクラーレンのランド・ノリス、レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボン、ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、オープニングラップでのセーフティカー導入の機会を活かし、ハードタイヤへ交換した。このなかでノリスのみが1ストッパーを狙っていたが、ハードで46周を走行した終盤、ミディアムへの交換を余儀なくされた。アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトは、自身のホームグランプリで8位を獲得した。ハードでスタートしたドライバーはクビアトとアルファロメオのキミ・ライコネンのみだった。ライコネンは、ハードタイヤで35周のオープニングスティントを走行した。■各コンパウンドのパフォーマンス【ハードC3】トップ7がファイナルスティントで使用した。またハードによる長いスティントも見られた。ボッタスは、残り2周時点で、25周を走行したハードタイヤでファステストラップを記録した。ハミルトンは、ハードタイヤで37周を走行した。【ミディアムC4】トップ10グリッドより後方の大半のドライバーがミディアムでスタートした。ミディアムでスタートしてトップ2となったドライバーたちにとって、レース戦略の鍵を握るタイヤとなった。【ソフトC5】ポールポジションのハミルトンを含む8名のドライバーがソフトタイヤでスタートした。レーシング・ポイントのセルジオ・ペレスは、ハミルトンと同じソフト~ハードと繋ぐ戦略で4位を獲得した。マリオ・イゾラ(ピレリ カーレーシング責任者)「気温30度を超える暑いソチのコンディション下、昨年よりも一段階軟らかいタイヤ選択だったこともあり、広範囲に渡る戦略が見られました。従来、ソチでは1ストップが主流でした。今回も同様でしたが、全3種類のコンパウンドが異なる戦略のなかでそれぞれの役割を演じていました。とくにソフトタイヤにおいて、サーマル・デグラデーションの管理が鍵でした。一方、ハードタイヤによる非常に長いスティントもいくつか見られました。バルテリ・ボッタスとメルセデスを祝福します。メルセデスによるロシアグランプリ不敗記録は今年も更新されました」
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