ピエール・ガスリーは、かつて親友だったエステバン・オコンとの関係について振り返り、現在に至るまでの複雑な経緯を明かした。ともに1996年生まれ、フランス北部出身の2人は、ジュニア時代から長い時間を共有してきた存在だという。「昔はほとんど毎週、水曜日や週末を一緒に過ごしていた。彼が僕の家に来たり、僕が彼の家に行ったりしてね。すごく強い絆があった」とガスリーはF1.comに語っている。
しかし、その関係はある時点から変化した。「残念ながら、あるレースをきっかけに転換点があった。その後、ドラマチックな形で崩れてしまった。それを説明するのは難しい」とし、具体的な出来事については言及を避けた上で、「ここには丸々1本、ドキュメンタリーが作れるくらいの話がある」と付け加えた。ガスリーとオコンは長年F1に定着し、2023年と2024年にはアルピーヌでチームメイトとしても戦った。「僕たちは、自分たちがどこから来たのかを正確に分かっている。ここまで来るために何を乗り越えてきたかもね」とガスリーは語る。そのうえで、2人の間に生まれたライバル関係を前向きに捉えている。「同時に、そのライバル関係が、僕たちを自分たちのポテンシャル以上のところまで押し上げてくれたことも分かっている。10年後、20年後には、違う形で向き合って、すべてを話し合えると思っている」と述べた。2024年のブラジルGPでは、オコンとガスリーが揃って表彰台に立つ場面もあった。インテルラゴスでのレース後、2人は肩を組んでメディア対応を行っている。「8か月の間に、最後尾から、1台ではなく2台が表彰台に上がるまでになった。チームの中の人たちの表情は本当に最高だった」とガスリーは振り返り、「あのレースは、キャリアを終えたあとに、間違いなく特別な一戦として挙げると思う」と語っている。